The Guard (NA1位) -「VCT Masters レイキャビク2022」出場チーム紹介⑫

2022年最初の世界王者を決めるVALORANT国際大会「VCT 2022: Masters Stage 1 -Reykjavík」が4月10日-24日に行われます。
当サイトではMastersに出場する全チームの紹介を行っていきます。今回はNA1位、「The Guard」です。本稿が大会観戦を楽しむために役立てれば幸いです。
チーム紹介
昨年11月にVALORANTへの参入が発表された「The Guard」は、当初そこまで注目を集めませんでした。運営元はNFLチームを持つほどの大企業ですが、集まったのは無名・中堅チームの選手。しかし、5人の平均年齢が今大会最少の19.6歳と非常に若いチームは成長を続け、ついにはNAチャンピオンの座を掴み取りました。その成長を支えたのが圧倒的な練習量。コーチのmCe氏によると、同チームはVCT予選と並行しながら今年に入ってからの3か月で225戦ものスクリムを実施しています。その経緯から「主人公」との評判もある同チームが初のオフライン世界大会でどのようなパフォーマンスを見せるのか、注目が集まります。
チームの特徴
戦術的な部分や射線管理の上手さもさることながら、選手個人の素早い判断とスキルを用いた駆け引きが非常に目立つチーム。前所属チームのT1では途中から控えに回っていたSayaplayer選手は”Korean Jett”の強さを見せ、最年少・17歳のtrent選手もそのスキル運用の上手さから「北米NO.1ソーヴァ」と呼ばれるようになりました。数字上では両選手が目立つものの、valyn選手はスモークを用いた少人数戦やサイト内耐久の上手さを見せ、neT選手はチェンバーで相手の脅威となり、JonahP選手は複数のキャラクターで安定したプレーを見せました。全体的に「そこを撃ち勝つのか」と思わせるプレーが多く、クラッチ力も非常に高いチームです。
全体としては得意マップのヘイヴン・アイスボックスでほぼ負けなしの成績を残し、優先してBANしていたブリーズは初お披露目のグランドファイナルで「Optic Gaming」を圧倒。一度敗れた3チーム全てにリベンジ成功している点も好印象で、オフライン環境に適応できれば上位進出の可能性は高いと言えるでしょう。
ラインナップ
- 🇺🇸 valyn
- 🇺🇸 neT
- 🇺🇸 trent
- 🇨🇦 JonahP
- 🇰🇷 Sayaplayer
- 🇺🇸 psalm (Inactive)
- 🇺🇸 mCe (Coach)
戦績
Open Qualifier #1
(中略)
FaZe Clan:○2-1
Luminosity:○2-0
Knights:○2-1
XSET:●0-2
Akrew:○2-1
Group Stage
Luminosity:○2-0
100 Thieves:○2-1
XSET:○2-1
Evil Geniuses:○2-0
Cloud9:●1-2
Main Event
Sentinels:○2-0
Luminosity:○2-0
Optic Gaming:●0-2
Cloud9:○3-0
Optic Gaming:○3-2
ピストルラウンド:52-34 (.605)
OT突入時勝率:4-0 (1.00)
マップごとの傾向
マップ別戦績
Ascent | Bind | Haven | Icebox | Split | Breeze | Fracture |
3-4 | 4-3 | 9-1 | 9-0 | 3-4 | 1-0 | 2-0 |
マップ選択とBAN
BAN優先度:①ブリーズ
PICK優先度:①アイスボックス ②ヘイヴン ③スプリット
構成 (パッチ4.04ver)
valyn | neT | trent | JonahP | Sayaplayer | |
---|---|---|---|---|---|
Ascent | アストラ | キルジョイ | ソーヴァ | KAY/O | ジェット |
Haven | オーメン | キルジョイ | ソーヴァ | スカイ | ジェット |
Icebox | ヴァイパー | チェンバー | ソーヴァ | オーメン | ジェット |
Bind | ブリムストーン | ヴァイパー | スカイ | セージ | レイズ |
Split | オーメン | チェンバー | ブリーチ | スカイ | レイズ |
Breeze | ヴァイパー | チェンバー | ソーヴァ | KAY/O | ジェット |
Fracture | ー | ー | ー | ー | ー |
注目プレイヤー:trent

XboxでCoD・Rustなどの経験はあったものの、PCゲームを始めてからわずか2年と少し。弱冠17歳のtrent選手は今シーズン当初、様々なeスポーツタイトルの情報を掲載している「Liquipedia」に名前が掲載されていないほど無名の存在でしたが、現在では「北米NO.1ソーヴァ」の座を手にし、国際大会で苦戦が続く同リージョンの希望となっています。
撃ち合いの強さと的確なスキル運用はもちろん、どこまで見えているのか怖くなるほどの状況把握・判断能力が同選手の一番の強みで、多くのクラッチシーンを生み出してきました。The Guard加入前、無名の時代に「競技シーンの経験はないけれど全てのエージェントをトップレベルで使いこなせます。」という趣旨のDMを多数のトッププレイヤーに送っていたなど、逸話にも事欠かない同選手の活躍に注目です。
▼「Luminosity」戦で見せたtrent選手の1v3クラッチ
※チーム紹介記事の作成は初めての試みでしたが、いかがでしたでしょうか。次回以降の作成は未定ですが、意見・追加して欲しいデータ等ありましたらコメント欄にてお願いいたします。
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コメント
コメント一覧 (6件)
sayaplayerの名前の元ネタはだがしかしのサヤ師という話
間違いなく優勝候補
天才trentはやく見てえ
まさにvaloにおけるLast hope Na
今回海外チームで一押し 特にtrent
psalm;;
か、観光して帰国…w