【連載企画】「ジェット以外のデュエリストを採用するべきか?」パッチ4.10のメタを追う / アセント編

パッチ4.08でフェイドが登場し、ジェット・ソーヴァが弱体化、パッチ4.09ではチェンバーの弱体化が行われるなど、環境に大きな変化が訪れているVALORANT。パッチ4.10のメタに関しては当サイトでも以前から取り上げてきました。今回はプロシーンにおいて様々な試行錯誤が見られる状況を、一度マップごとに整理する企画となっています。
主に取り上げるのは、メタの最先端を行っているとされるEMEA地域。それに加え、世界各地の強豪チームの戦略を整理していきます。今回はアセント編です。

パッチ4.04(Masters:Reykjavík)環境
「アセント」はプロチームが一番最初に練習するマップともいわれており、以前はメタがかなり煮詰まっていた印象です。レイキャビク大会では、ジェット・ソーヴァ・KAY/O・キルジョイ・オーメンという構成を、全12チームの半分にあたる6チームが採用していました。
それ以外には、コントローラーとしてアストラ、KAY/O対策としてサイファー、防衛時にAショートに炊くバリアオーブが強力なセージなども少数採用されています。またチェンバーを採用するチームもありましたが、KAY/Oではなくスカイを採用していたDRX以外は結果を残せていませんでした。

守りマップと評されることもあったアセントに、パッチ4.10ではどのような変化が見られたのでしょうか。いくつかのポイントに分けて検討していきます。

ポイント①:ジェット以外のデュエリストを採用するべきか?
パッチ4.10において、テイルウインドに大幅な弱体化が入ったジェット。それでもなおクラウドバーストを用いたエントリーは健在であり、オペレーター運用のために採用を続けるという選択肢もあります。実際、cNedを擁するAcendをはじめ、アセント巧者として知られるLOUDなど、多くのチームはパッチ4.04時と変わらない構成を使用しています。
一方でFnaticなどジェットを含まない構成を試すチームも。どちらも強力なオペレーター使い(Derke, Mixwell)を擁しており、ブームボットやペイント弾を持つレイズを採用すれば、キルジョイからチェンバーに変更しても守りは問題ないという判断に至ったと思われます。

とはいえ新たな構成には難しさも付き物。練度や相性の問題もありますが、G2をはじめとしてジェット抜きの構成を諦め、以前の構成に戻す動きもみられています。
一方、世界王者・OpTic Gamingはジェットに代わりヨルを採用。ブリーチとの合わせも生かし、「Cloud9」に13-5という大差で勝利しています。その後はヨルに代わってのネオン採用も見せており、まだまだメタを探る段階と言えそうです。

ポイント②:ノーデュエリスト構成の可能性
ジェットの弱体化を受け、ノーデュエリスト構成を探る動きも続いています。最も多いのはソーヴァ・KAY/O・フェイド・チェンバー・オーメンという3イニシエーター構成。韓国のDRXに加え、NAでは「Evil Geniuses」がこの構成でOpTicを撃破しています。

3イニシエーター構成の強みとしては、多彩な索敵を用いて相手の位置を把握し、サイト内のクリアリングを徹底することにあります。セットを武器とするDRXに向いている構成と言えるでしょう。また「FunPlus Phoenix」は以前からセージを採用していたこともあり、KAY/O・フェイド・セージ・チェンバー・オーメンという構成を披露。現在負けなしの4連勝と圧倒的な力を見せるFNCに土をつけています。
新たに追加されたフェイドの採用も見られ、大会中に複数の構成を使用するチームもある状況。まだまだメタは未完成と言えそうです。
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コメント
コメント一覧 (3件)
世界二位のOPTCを真似とけば間違いないな!
多様性のある環境は楽しい
ヨルが採用される事に驚かなくなった自分に驚いてる