【パッチ10.02のメタを追う】アビス編:オーメンアストラかサイファー採用か、テホの可能性も?
先日終了した「VCT 2025 Masters Bangkok」において、パッチ10.00で登場した新エージェント「テホ」が全体1位となるピック率56%を記録しました。テホを積極的に使用したG2 Esports / EDward Gamingが上位進出を果たした一方で、優勝したT1はアビス / フラクチャーのみの使用に留まるなど、多様なエージェントピックが見られています。
パッチ10.04からは新エージェント「ウェイレイ」が登場するほか、アビス / バインドがマッププールから除外され、アセント / アイスボックスが復活します。またアイソ / テホ / デッドロック / クローヴに変更が加えられることで、メタにも大きな変化が予想される状況です。
Tier1のStage1は中国で今月13日に開幕していますが、その他の地域は22日以降とやや期間が空いている状況です。当サイトではこのタイミングで、現在のメタを考える連載企画を行います。今回はアビスです。
主な構成
構成 | 登場回数 | チーム |
---|---|---|
16 | DFM,DRG,SEN,C9など10チーム | |
15 | TL,TEC,GEN,XLGなど7チーム | |
12 | MIBR,TE,NOVAなど7チーム | |
7 | G2,GE | |
5 | M8,AG,TYL,2G | |
3 | BLG,AG,NRG |
エージェントピック率(全地域平均)
※各地域のKickoff+Bangkokの合計、上位10エージェント
92.0% | 76.1% | 73.9% | 56.8% | 55.7% | 35.2% | 31.8% | 15.9% | 13.6% | 10.2% |
攻撃 / 防衛ラウンド取得率
取得率 | Attacker | Defender |
---|---|---|
Bangkok | 53% | 47% |
PACIFIC | 55% | 45% |
Americas | 59% | 41% |
EMEA | 60% | 40% |
CHINA | 53% | 47% |
ポイント① センチネル採用の難しさ
昨年6月に追加されたアビスは当初、ジェット / ソーヴァ / KAY/Oのピックが目立っており、アセントと似たようなメタになっていました。その状況に変化をもたらしたのが、昨年のChampionsを制したEDward Gamingです。
EDGは主流だったサイファーを採用せず、オーメン / アストラの2コントローラー構成を使用しました。これが結果を残したこと、さらにパッチ9.05でアストラのスターが5個に増えたことから、アジアを中心にさらに人気を博している状況です。
もちろんサイファーを採用するチームはまだまだいるものの、ミッドを含めてすべてを管理するのは難しいうえ、特にBサイトではその形状からサイト中守りが難しくなっています。比較的裏取りが難しいマップでもあることから、センチネル無しでも問題ないと判断するチームが多いようです。
2コントローラー構成の利点としては、まずミッドの取りやすさが挙げられます。攻撃側が開幕から2つスモークを利用するシーンは何度も見てきました。
その他、Bサイトのリテイクではコンテナ上にスモークを炊いてシュラウドステップや、バックサイトにアストラの吸い込みやスタンを入れるなどの試みも見られています。
ポイント② 攻めマップ化が進む
Bサイトは中守りが難しくなっているうえ、AサイトでもソーヴァやKAY/Oのスキルを受けるためか、防衛側が厳しい状況に立たされています。一部ではジェットではなくヨル、もしくはKAY/Oの代わりにヨルを使用するケースもあり、ディメンショナルドリフトなどを活かしてよりアグレッシブな攻めが可能になっています。
センチネルが採用されづらくなったこともあり、アビスでは全体的に攻めマップ化が進んでいます。EMEAではアタッカーサイドの勝率が60%を記録しました。広いマップのため裏取りのリスクも高く、攻撃側はセンチネル不在でもエリアを管理しやすくなっています。とはいえ、リテイクに合わせて遅めの裏取りが刺さるシーンが散見されてはいました。
ポイント③ テホの可能性は?
一方で、Mastersではテホが徐々に存在感を増してきました。各地域の段階から既にテホを使用していたVIT / SEN / DRXの勝ち上がりがあったことも影響しています。
特にDRXは今シーズンのアビスで3勝0敗の好成績を残しています。PACIFICではジェット / ソーヴァ / テホ / サイファー / オーメンという構成でしたが、Mastersではジェットをヨルに変更し、VITを下しています。VITの3イニシエーター構成もEMEAでは結果を出しており、やはりテホのキャラパワーはどのマップでも活きてくるのでしょうか。
こうした変化が生まれてきている状況で、アビスはStage1よりマッププールから外れることとなりました。次に戻ってきた際はどのようなメタになっているのか、考えながら試合を観戦してみるのも面白いかもしれません。
-
【パッチ10.02のメタを追う】スプリット編:ヴァイパー人気再燃、ヨル / ジェットが増えてきた背景は?
-
【パッチ10.02のメタを追う】パール編:キルジョイの復権はあるのか、ヨル増加の背景は?
-
【パッチ10.02のメタを追う】ロータス編:メタが回るこのマップ、開幕のエリア争奪戦はどのエージェントが制するのか?
-
【パッチ10.02のメタを追う】ヘイヴン編:メタ構成とヨルアイソ構成、徐々に増えるテホの未来は?
-
【パッチ10.02のメタを追う】フラクチャー編:テホ・ブリーチの本場、センチネルの違いに要注目
-
【パッチ10.02のメタを追う】アビス編:オーメンアストラかサイファー採用か、テホの可能性も?
-
【パッチ10.02のメタを追う】バインド編:ゲッコーのナーフで構成が多様化、KAY/O増加の背景は?
-
【パッチ10.02のメタを追う】テホ・ブリーチメタの到来、ウェイレイの可能性は?
コメント
コメント一覧 (1件)
せっかくメタが回ってたのにマッププール変わるの残念