FNC Boaster「正直、自分がシーンにいられる時間がどれくらい残っているのか分からない。だからこそ、いまの仲間とできる限りのことをして、もう一度優勝したい」
現在、カナダ・トロントで開催されている「VCT 2025 Masters Toronto」に、EMEA地域第1シードとして出場しているFNATICは、先日の試合でSentinelsを2-1で下し、トップ4進出を決めました。キャプテンを務めるBoaster選手が、海外メディア「Hotspawn」のインタビューに応じています。
以下は、インタビュー内容の一部を翻訳・引用したものです。
― きょうのAlfajer選手は絶好調でした。朝食に何を食べたのでしょうか。
Boaster:うーん、何を食べたか実は覚えていないです。たぶん“勝利の朝食”でも食べたんじゃないですかね。
― シリーズ全体を振り返っての感想をお願いします。
Boaster:サンセットでは出だしがかなり重かったです。Grand Finalへ進むためには、このマップを早急に仕上げる必要があります。WolvesもPaper Rexもサンセットを好むチームなので、きちんと戦えるレベルに持っていかなければなりません。
アセントは非常に良い出来でしたし、アイスボックスも悪くありませんでした。ラウンド運に恵まれない場面もあれば、運良く取れた場面もありました。大きな修正点としては、セージの防衛でのChronicleのスロウオーブのタイミングを完全に合わせること。それさえ整えば完璧になるはずです。
― kaajak選手が食中毒に苦しんでいると聞きました。体調はいかがですか。
Boaster:毎朝“パーセンテージチェック”をしていて、きょうは60%からのスタートでした。第2マップを終えた頃には空腹でエネルギーが落ち気味でしたが、それでも踏ん張ってくれました。小さなサンドイッチを渡したところ、アイスボックスではAlfajerと一緒に私たちを勝利へ導いてくれました。本当に誇りに思います。
― ステージと観客席の距離が非常に近い会場で、ラウンド間にファンと交流する選手も見受けられます。この雰囲気をどのように感じていますか。
Boaster:面白いですよ。観客がどこまで映像を見られているのか分かりませんが、あの空間はまさに“モッシュピット”のような熱気です。ラウンドを取ったときは少しパフォーマンスを入れたりして楽しんでいます。フォーマットとしても素晴らしいですね。初日はとにかく暑かったので、扇風機を買ってショートパンツで対策しました。
― 髪も切りましたね。
Boaster:“Spoozyバフ”ですね。EMEA担当のメイクアップアーティスト、Spoozyさんが手伝ってくれました。
― アイスボックス終盤、放送席ではSentinelsのメンタルが崩れたとも言われていました。そう感じましたか?
Boaster:そうだと思います。攻撃側で7ラウンド取れたのは十分ですが、こちらがピストルラウンドを取ってすぐに7-7に戻りました。アイスボックスの防衛側で7-7というのは本当にやりづらくて、ラウンドを取るのが難しいんです。実際、私たちも守備側では5本しか取れませんでしたから。
ただ、マップの動かし方は非常に良かったですし、味方も確実にキルを取ってくれました。Alfajer選手も相手を翻弄してくれていましたし、Bをフェイクして相手にAをナイフで探られてしまい、急遽Bアンダーで分断した場面は正直かなり運が良かったです。あのラウンドでもAlfajer選手が“ビーストモード”に入ってくれました。
私のIGLコールが完璧でないときでも、こうして状況を打開してくれる選手がいるのは本当に心強いです。
― 「1stシードの呪い」については、どうお考えですか?
Boaster:言い訳はしたくないですが、初めてのステージで気温も分からず、十分にウォームアップできない状況はやはり難しいです。それに2大会連続で、対戦相手を選ぶ選択肢が一切なかったのも不運でした。結果的に即座にGen.Gと当たることになりましたから。正直、ランダム抽選にした方がEMEA勢にはまだ運が向くのではないかと思うくらいです。
でも、これが競技の世界ですから文句は言えません。適応するしかないですし、もし下位ブラケットを這い上がることになるなら、それが私たちの道です。今回はパールもプレイすることになるので、ぜひ注目してください。
― ベスト4の中で優勝候補はどのチームだと思いますか?
Boaster:Paper Rex vs Wolvesは間違いなく注目の一戦です。攻撃的なスタイル同士のぶつかり合いで、エイム勝負でも戦術面でも見応えがあると思います。どういう展開になるか非常に楽しみです。
ローワーブラケットにはG2とFnaticがいますが、どちらもリーグ優勝経験のあるチームです。G2はValyn選手の優れたIGL力で安定した結果を出していますし、強いチームです。
そしてFnaticは、これまでにタイトルを取ってきましたし、今回も取れると信じています。私たちはローワーブラケットを戦い抜いて勢いをつけるタイプのチームですし、互いのプレイを信頼し合い、楽しんでいるので、そこが強みです。
― SiuFatBB選手は今大会で一気にスーパースターの座に上り詰め、雰囲気作りや楽しさを大切にするIGLとして、Boaster選手と似ているとも言われています。この活躍をどのように思いますか?
Boaster:彼はシーンの中でも本当に良いキャラクターですし、ホテルで会ったときもとても感じが良かったです。私がトロントに着いたとき、わざわざ話しかけに来てくれました。実は私のことをすごく好きらしくて、同じIGLだからでしょうね。でも彼はIGLでありながら、しっかりキルも取っているのがすごいです。
彼のストーリーも4,5年前から知っています。最初の頃はZmjjKK選手のように必死に練習していて、私も中国のTwitchチャットで「ナイストライ」とコメントしたことがあったんです。当時は私と同じくジェットのオペレーターをしていて、それを彼はいまでも覚えています。だから今回会場で「ユニフォーム交換してほしい」と言われました。
自分を慕ってくれるIGLには特別なリスペクトを持っています。私もCS:GO時代に他のIGLを尊敬してきたので、その気持ちはよく分かります。SiuFatBB選手は雰囲気も良くて、素晴らしい存在です。
― Fnaticはどうしても2023年の世界制覇の影を背負っていると言われがちです。いま再び世界大会で優勝することは、Boaster選手自身、このロスター、そして組織にとってどれほど重要だと感じていますか。
Boaster:確かに面白いものです。2023年に東京で優勝したとき、Alfajer選手が「退屈だ」と言っていて、その後のChampionsでは負けてしまいました。そして2024年は、ローワーブラケットを突破しようと四苦八苦していました。だからこそ、こうして大会に出場できるだけでも以前よりありがたみを感じています。トロフィーを取れずに他のチームが優勝するのを見ると、本当に謙虚になります。私は決勝を必ず最後まで見て、刺激をもらっているんです。
優勝シーンを見てまだ「自分もやりたい」と思える限りは、これからも努力し続けます。正直、自分がシーンにいられる時間がどれくらい残っているのか分かりません。ただ、いま一緒にいる仲間とできる限りのことをして、もう一度優勝したいです。その先のことは、そのとき考えます。
一戦一戦に集中していますが、もしまた優勝できたら、それはminiコーチがいなくても、他の選手がいなくても自分はやれるんだと証明できますし、自分にとって大きな達成になると思います。
コメント
コメント一覧 (11件)
ぼっさんはフィジカル弱いからIGL通用しなくなった時が終わりの時
Boasterくらいの人気ならストリーマーになったら努力とかプレッシャー無しで食っていける
その選択肢があるのに、競技に残って努力し続けるって簡単じゃないと思う
Fadezisも言ってたけど、普通は楽な方に流れるのが当たり前だからね
あれで60%って正気か
BoasterはなんかFNSと同じルート辿りそうだね
ウォチパで踊ってるボースターとか絶対おもろい
もうチームメイトに結構負担かけてる気がする
BoasterのIGLで取ったラウンドってほぼ無くね?
なんでそんなことわかるの?
そんなわけなくて草
vs SENのアイボラストラウンドとかモロIGLでとったようなもんやろ
フィジ弱すぎってモロ欠点だけどモチベーターとして優秀だから許されてるのはあると思う
プロの試合でIGLがどれだけ重要なポジションか分かってなさそう
SiuFatBBとの会話いい話だな
chichooとか中国勢はEMEAファンボが多いの面白い