LOCK//IN初戦敗退からEMEA王者へ、その実力はいかに「Masters Tokyo」出場チーム紹介⑩：Team Liquid

日本で初めて行われるVALORANT国際大会「VCT 2023 Masters Tokyo」が6月11日-25日に開催されます。

当サイトでは、Mastersに出場する全チームの紹介を行っていきます。今回はEMEA1位「Team Liquid」です。本稿が大会観戦を楽しむために役立てれば幸いです。

ラインナップ

• 🇷🇺 Redgar (IGL)
• 🇫🇮 Jamppi
• 🇬🇧 soulcas
• 🇸🇪 Sayf
• 🇷🇺 nAts
• 🇩🇪 Harmii
• 🇸🇪 eMIL (Head Coach)
• 🇺🇸 7Teen (Performance Coach)
• 🇬🇧 Bacon9 (Strategic Coach)

戦績

リーグ戦（6勝3敗・3位）

• Team Vitality：●1-2
• FUT Esports：○2-1
• Karmine Corp：○2-0
• FNATIC：●0-2
• Team Heretics：○2-0
• Giants Gaming：○2-1
• Natus Vincere：●0-2
• BBL Esports：○2-1
• KOI：○2-1

Playoffs

• Team Vitality：○2-1
• Natus Vincere：○2-0
• FNATIC：●0-2
• FUT Esports：○3-0
• FNATIC：○3-1

チーム紹介

昨年からJamppi / soulcasの2選手が残留し、GLD時代に大活躍を見せたSayf選手、元GMBとして世界大会優勝を経験したnAts / Redgarの2選手が加入したTL。懸案事項だったIGLの不在も解決されたスター軍団の誕生に、大きな期待が集まりました。

しかし、2月に行われたLOCK//INではTSに敗れまさかの1回戦負け。その後のインタビューではSayf選手がRedgar選手のIGLに不満を持っていると感じられるような発言があったほか、英語を母語としない選手がコミュニケーションに問題を抱えているという事情もあり、チームの仕上がりには時間がかかるものと思われました。

EMEAのリーグ戦でも初戦でVITに敗れますが、その後は粘り強く戦い続けFNC / NAVIに敗れたのみの3敗でフィニッシュ。FUT戦で3マップの平均ACSが342を記録するなど、デュエリストのSayf選手が懸命にチームを引っ張っているうちにチームとして成熟してきた印象です。

そしてプレイオフではNAVIとの接戦を制し、Masters出場が決定。FNCに敗れてLosersに回りますが、FUTを3-0のストレートで下すとFNCへのリベンジに成功し、初代EMEA王者の座に就きました。

果たして現在のTLはFNCを上回る実力をつけているのか。直接対決で勝利していますが、その実力を疑問視する声は少なくありません。FNC戦では対策がかなり刺さっていた部分があるうえ、コントローラーのRedgar選手がチーム最多のファーストキル18を記録するなど、調子の良い状態の選手が多かったことは否定できないでしょう。他地域のチームを相手にどのような戦いぶりを見せるか、注目が集まります。

マップ戦績

Ascent	Haven	Fracture	Pearl	Split	Lotus	Bind
5-2	1-2	4-1	0-0	6-1	3-6	3-2

エージェント構成

マップ	Sayf	soulcas	Jamppi	nAts	Redgar
Ascent	ジェット	KAY/O	ソーヴァ	サイファー	オーメン
Haven	ジェット	スカイ	ブリーチ	キルジョイ	オーメン
Fracture	レイズ	フェイド	ブリーチ	サイファー	ブリムストーン
Pearl	–	–	–	–	–
Split	ジェット	セージ	スカイ	サイファー	オーメン
Lotus	レイズ	フェイド	キルジョイ	ヴァイパー	オーメン
Bind	レイズ	フェイド	スカイ	ヴァイパー	オーメン

個人データ

Redgar

年齢	平均ACS	K/D	KAST%
25	173.9	0.88	70%

soulcas

年齢	平均ACS	K/D	KAST%
23	168.4	0.92	74%

Jamppi

年齢	平均ACS	K/D	KAST%
21	207.6	1.12	71%

Sayf

年齢	平均ACS	K/D	KAST%
22	249.0	1.34	74%

nAts

年齢	平均ACS	K/D	KAST%
20	222.4	1.23	73%

注目プレイヤー：nAts

Sayf選手と迷いましたが、ヴァイパー / センチネル役として堅実にチームを支えるnAts選手を取り上げます。GMB時代から非常に高く評価されており、ラークの上手さに定評があるプレイヤーです。

TLの構成を見ていると、nAts選手を軸にチームを作っていることがはっきりと分かります。EMEAリーグの序盤でnAts選手はサイファーとヴァイパーのみ使用しており、現在メタの中心となっているキルジョイをチームとして全く採用していませんでした。同選手のエージェントプールを最優先していることが伺えます。

しかし序盤の苦戦を受けて、徐々に構成を変更。ヘイヴンとロータスではキルジョイを見せるようになり、徐々に安定してきました。最近の試合ではnAts選手のラークがかなり警戒されるようになっていますが、そのなかでどのような立ち回りを見せるのか、注目が集まります。

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