皆さんは「攻めマップ」「守りマップ」という言葉をご存じでしょうか?
VALORANTには現在9個のマップがあり、そのうち7つのマップがゲーム内ランクシステム「コンペティティブ」に採用されています。マップごとに構造が異なることで、そのマップで使いやすいエージェントが異なります。また、攻め側が強いと言われているマップ(攻めマップ)と守り側が強いと言われているマップ(守りマップ)があり、大会の実況などでもよく耳にすることでしょう。
しかし一般的には「守りマップ」とされているが自分には攻めマップと感じるという人、またその逆を感じる方も中にはいるでしょう。そもそもマップごとに攻めと守りでラウンドの勝利数に偏りがあるのでしょうか?
今回は現在採用されているマップ(アセント・バインド・ヘイブン・スプリット・フラクチャー・パール・ロータス)について、コンペティティブと競技シーンの世界大会での攻撃側/防衛側のラウンド取得率を調べ、比較してみます。
上の図は前ACTにおける各ランク・マップにおける攻撃側のラウンド取得率です。上の数値を100から引いた%が守備側のラウンド取得率になります。
これを見て、意外に攻撃側と守備側でラウンド取得率に差がないと思った方も多いのではないでしょうか。下位ランク帯になると攻撃側のラウンド取得率が高くなっていく傾向にはあるものの、攻撃側は最大でもシルバー帯のロータスにおける54.5%(守備側45.5%)が最高であり、防衛側もレディアント帯のアセントにおける54.7%(攻撃側45.3%)が最大となっており、それぞれ攻守の差は10%もありません。
マップごとに見てみると、ロータスは全ランク帯において攻撃側のラウンド取得率が53%を超えるなど、やや攻撃側に有利なマップと言えるのではないでしょうか。またアセントは一般的に「守りマップ」とされていますが、どのランク帯でも攻撃側ラウンド取得率が50%を超えておらず、やや守り有利の傾向は強いでしょう。その他のマップについてはランク帯によっても変わっており、コンペティティブにおいては攻守においてラウンド取得率に差があるマップはほとんどないと言えるのではないでしょうか。

今回は競技シーンの大会として、2022 Champions、2023 LOCK//IN Sao Paulo、2023 Masters Tokyoにおけるマップごとの攻撃側ラウンド取得率を調べています。競技シーンはメタによって大きく構成が変わっており、そのためラウンド取得率にも大きく変動があるように思われます。特に2022年のチェンバーメタから大きく変わった2023のLOCK//INではどのマップも攻撃側ラウンド取得率が上がっており、特にヘイヴンでは7%もの急激な上昇を示しています。
マップごとに見ていくと、スプリット・フラクチャー・パールではコンペティティブと競技シーンでは取得率に大きな差は見られず、ランクマッチ同様攻守の有利不利はそこまで感じられません。ロータスについても大会採用後初の世界大会であったLOCK//INにおいては攻撃側の取得率がかなり高くなっていますが、今回のMasters Tokyoではランクマッチ同様の数値まで落ち着いており、競技シーンにおいても攻撃側がやや有利と言えるのではないでしょうか。またバインドではランクマッチと比べ競技シーンの攻撃側取得率が3-4%程高くなっており、ランクマッチと大会では少し認識が異なりそうです。
今回注目したいのはアセントとヘイヴンです。一般的に守りマップと言われているアセントはMasters Tokyoで攻撃側のラウンド取得率が56.7%と大きく増えています。それに対して攻め有利ともいわれているヘイヴンでは、チェンバー弱体化やキルジョイ強化の影響を受け、LOCK//INでは攻撃側が55.7%と取得率を高めたものの、今回のMastersでは以前の大会やコンペと比べても44.7%と低い取得率となっています。
チェンバーの弱体化によってキルジョイやサイファーの採用が増えた今年の世界大会、LOCK//IN、さらにはインターナショナルリーグを経てその環境に慣れた各チームがメタへの対応を見せ始めたとも感じられます。今後大会で攻守の差がどうなっていくのか、そして競技シーンから影響を受けたコンペティティブはどのような環境になっていくのか、注目すべきポイントになりそうです。