「ZETA DIVISION」の対Crazy Raccoon戦を海外アナリストが分析、ヘイヴンでのセットプレイを紹介

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北米のプロチーム「Knights」VALORANT部門でアナリストを務めるslow氏が、国内プロチーム「ZETA DEVISION」の対Crazy Raccoon戦を、自身のブログにて分析しています。

目次

ZETA DIVISION ヘイヴンでの試合

以下、元記事より一部引用

ZETA DIVISIONは、黎明期から国内シーンでトップを走り続けているチームです。以前はAbsolute JUPITERとして知られていた彼らは、日本やアジアのイベントで成績を残し、138,000ドル(約1,600万円)もの賞金を獲得。「VCT Stage2 Masters」の出場権も獲得しています。

同チームは国内での成績は安定している一方、「VALORANT Champions 2021」の出場権を得られなかったため、2022年シーズンに向けてロスターが再構築されました。TENNN、dep、SugerZ3roを加えた新生ZETA DIVISIONは、国内におけるライバル「Crazy Raccoon」を相手に勝利を収め、幸先の良いスタートを切っています。

それではZETA DIVISIONが、ヘイヴンでCrazy Raccoonを相手に13-11で勝利した試合を見ていきましょう。

エージェント構成

ZETA DIVISIONは、アストラ、ジェット、ブリーチ、キルジョイ、スカイを使用。こちらの構成は北米、ヨーロッパではあまり見ませんが、アジアでは定番となっています。防衛時には、Aロビーでのアストラの吸引とブリーチのスタンなどの強力なアビリティの組み合わせを使うことができ、攻撃時にはスカイ、ブリーチがジェットをサポートし、爆発的な作戦やセットプレイを行うことが出来ます。

ディフェンダーサイド

概要

ZETA DIVISIONは5-7のスコアで防衛サイドを終えました。彼らのプレイはチームワークに重きを置かれており、ブリーチのスタンとスカイのフラッシュを中心としたアビリティで味方をサポートする場面が多く見られました。

ピストルラウンド

ZETA DIVISIONはピストルラウンドでは、アストラをC、キルジョイをガレージ、ブリーチをB、ジェットとスカイをAロングに配置していました。Bサイトにはアラームボットが置かれており、反応した瞬間にcrowがブリーチのスタンを撃てるようにしていましたが、使用されることはありませんでした。

ラウンドの序盤、Crazy Raccoonはフェイクとしてジェットを早めにBサイトに送り込もうとしていましたが、crowが素早い対応でキル。その後、4人となったCrazy RaccoonはCロングを駆け上がりましたが、LazとSugerZ3roがうまく時間を稼ぎ、crowのスタンとアフターショックでSugerZ3roが3キル、crowが1キルを取りファーストラウンドを獲得しました。

Aロビーでのアビリティーの組み合わせ

ヘイヴンでのブリーチとスカイを含んだ構成の最も価値のある使い方は、アビリティーを組み合わせてAロビーのコントロールを毎ラウンド取ることでしょう。そしてZETA DIVISIONは、それをほとんどのラウンドで活用していました。

組み合わせとしては、アストラの吸引とスモークにスタンとフラッシュを合わせることで、アタッカー側を攻めあぐねさせ、その後Aロビーを取り返すためにアビリティーを消費させます。

結果、ジェットはオペレーターを持ちAロビーまで詰められることとなります。このセットアップのもう一つの強みとして、ブリーチがAリンクからスタンを使っているので、直ぐにBサイトに寄ることができる点も挙げられます。

Crazy Raccoon側のラウンド開始から30秒後の位置を見れば、この組み合わせの強さが分かるでしょう。早めのAロングとAショートのコントロールが出来ていないことが見られます。

Depとオペレーター

前半、Depはオペレーターで9キルしかしていませんでしたが、Depは特にA側の防衛にて、オペレーターをうまく使い相手にプレッシャーを与えていたと思います。

ディフェンダーサイドでのDepの位置を見れば、どれだけAを重点的に守っていたか、そして稀にAショートをアグレッシブに守っていたことが確認できます。

そして彼は、オペレーターを使ったハイライトも残しています。

12ラウンド目のアビリティーを使った防衛

防衛側での最終ラウンド、ZETA DIVISIONは保持していたアルティメットとアビリティーをふんだんに使い、Crazy Raccoonをサイトに侵入させませんでした。

残り30秒までマップを探索した後、Aサイトに攻める判断をしたCrazy Raccoon。しかしLazがロックダウンを使用したことにより、Crazy Raccoonを無理やりBサイトに移動させました。

そしてBでは、crowがローリングサンダーを使い、スパイクの設置を阻止。残り11秒、Crazy Raccoonに残された選択肢はガレージを通りCサイトまで走ることだけでした。しかしスタン、フラッシュを使われた上、Depがオペレーターを持って守っていました。Crazy Raccoonはなんとか2対2まで持ち込んだものの、時間切れによりZETA DIVISIONがラウンドを獲得し、5-7で前半戦を折り返しました。

セットアップ

この試合でZETA DIVISIONが使用したセットアップは以下の3通りです。

バイラウンドでのAロビーコントロール

Aのリテイク配置

エコラウンドでのミッド攻め

アタッカーサイド

概要

ZETA DIVISIONは5-7だった前半から、8-4でラウンドを取得し逆転に成功しました。アタッカー側では、緩急のついた攻めを見ることが出来ました。

ZETA DIVISIONの変幻自在なペースは攻撃のスピードにも現れており、キルやスパイクの設置がラウンド開始から20秒以内に起こることもあれば、1分後にようやく発生する場面もあります。

縦軸が回数で、横軸が経過時間。例えばラウンドから開始20秒でスパイクの設置が2回行われたことが確認できる

そして攻撃時のプレイヤーの位置から、Aサイトを重点的に攻めていたことも確認できます。

ピストルラウンド

ピストルラウンド、ZETA DIVISIONは5人でのAラッシュを実行。LazがAショートにナノスワームを置き、SugerZ3roがCTとヘヴンにスモークを炊き、crowがサイトにフラッシュを入れました。この作戦は完璧に刺さり、Crazy Raccoonの守りを崩したことで、ピストルラウンドの取得に成功しました。

デフォルト

ZETA DIVISIONが、早めのプッシュをしなかったラウンドで使用したデフォルトを紹介します。

※デフォルトについては下記記事を参照

ミッドデフォルト

Aデフォルト

エコラウンドでのミッド攻め (こちらはデフォルトではありません)

関連リンク:How ZETA DIVISION Plays Haven

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