
2025年最初の世界大会「VCT 2025 Masters Bangkok」が2月20日より開幕します。
当サイトでは、Mastersに出場する全チームの紹介を行っていきます。最後はEMEA1位「Team Vitality」です。本稿が大会観戦を楽しむために役立てば幸いです。

VCT 2025 EMEA KICK-OFF

昨年は後半にかけて調子を上げ、史上初めてとなる世界大会出場を果たしたVIT。しかしChampionsではTE / LEVに敗れ、グループステージ突破はなりませんでした。Sayf / trexx選手は良いパフォーマンスを見せるものの、それに続く選手の不在が課題となっていました。
そこでチームは大型補強に乗り出し、FNATICからDerke選手、LOUDからLess選手と世界トップクラスのスタープレイヤーを獲得します。2025シーズンのChampionsが地元フランスで開催されることも影響したでしょうか。一方でIGL経験を持つ選手がおらず、メインコントローラーも決まっていないことが懸念されていました。
しかしKickoff開幕戦ではKCを相手に最終マップの長いOTを勝ち切ると、ここから勢いに乗って強豪FUT / THを粉砕。Grand Finalも2マップ先行を許す苦しい展開ながら、冷静な戦いぶりで逆転勝利を収めています。”スーパーチーム”として大きな期待が集まったなかで、まずは無敗での優勝を果たしました。
懸案のコントローラーもDerke選手以外の4人で分担する形が上手く回っており、Sayf選手のIGLも判断が早く、時に思い切った決断もできるのが持ち味です。また他の選手の陰に隠れがちですが、Kicks選手が良い成長ぶりを見せており、要所要所でのスキル回しや撃ち合いの強さが目立っていました。
コミュニティからはG2と並んで優勝候補に挙げる声が多くなっています。TL戦で見せた危うさを修正することができれば、十分可能でしょう。いきなり世界王者の座を掴み取ることはできるでしょうか。
| Haven | Split | Bind | Fracture | Lotus | Pearl | Abyss |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2-1 | 1-1 | 2-1 | 1-0 | 1-0 | 0-0 | 2-0 |
| マップ | 攻撃ラウンド勝率 | 防衛ラウンド勝率 |
|---|---|---|
| Haven | 53% | 55% |
| Split | 56% | 58% |
| Bind | 59% | 54% |
| Fracture | 56% | 67% |
| Lotus | 83% | 43% |
| Pearl | – | – |
| Abyss | 79% | 44% |
| マップ | Derke | trexx | Kicks | Sayf | Less |
|---|---|---|---|---|---|
| Haven | ヨル | ソーヴァ | オーメン | アイソ | サイファー |
| Split | レイズ | フェイド | ブリーチ | オーメン | ヴァイパー |
| Bind | レイズ | ブリムストーン | スカイ | テホ | ヴァイパー |
| Fracture | レイズ | ヴァイス | ブリーチ | テホ | ブリムストーン |
| Lotus | レイズ | フェイド | オーメン | ヴァイス | ヴァイパー |
| Pearl | – | – | – | – | – |
| Abyss | ジェット | ソーヴァ | ブリーチ | テホ | アストラ |
| Player | Agent | ACS | K/D | KAST |
|---|---|---|---|---|
| Derke | ![]() | 252.8 | 1.17 | 70% |
| trexx | ![]() | 194.2 | 1.01 | 71% |
| Kicks | ![]() | 194.7 | 1.00 | 78% |
| Sayf | ![]() | 214.2 | 1.22 | 71% |
| Less | ![]() | 196.3 | 1.15 | 72% |
KickoffはDerke選手の強さを再認識させられる大会となりました。苦しい状況でもいつもと変わらずに自分の仕事に専念できているうえ、有利な場合でもチームをさらに勢いづけるようなプレイができます。GF最終マップのボーナスラウンドにおいて見せたエースは、優勝への決定打となりました。
FKPR(First Kill Per Round=1ラウンドごとのファーストキル獲得率)は0.24とEMEAトップの数値を記録し、FDPR(1ラウンドごとのファーストデス記録率)も0.21と、積極的なプレイが目立っています。サポート陣が超強力なだけに、デュエリストの役割を果たすことを優先している印象です。
FNATIC時代には「LOCK//IN」の決勝最終マップで3-11から大逆転の立役者となるなど、メンタルの強さは高く評価されています。この選手がいる限り、チームとして大きく崩れることは無いだろうと思わせるようなプレイヤーです。
EMEA初優勝を飾ったVITですが、まだまだ伸びしろを残しているのが評価できるポイントの一つです。Sayf選手は初のIGL、さらにデュエリストからフレックス気味にロールを変更していることで、負担の重さからかパフォーマンスが安定しない部分もありました。やはりSayf選手が活躍するマップは盤石という傾向にあるため、まずはここがポイントとなります。
またLess選手は英語のコミュニケーションに苦戦しているようで、昨年まで見せていたパフォーマンスには及んでいません。それでも随所で撃ち合いの強さを見せているだけに、少人数戦以外でも火力を活かせるかがカギとなるでしょう。”仕上がった” VITはいったいどこまで強いのか、その試合を見るのが非常に楽しみです。



