【後編】「2023 VCT LOCK//IN」をマップごとに振り返る。新マップ「ロータス」は攻撃側のラウンド取得率60%を記録
2月14日に開幕した「2023 VCT LOCK//IN」はEMEA「Fnatic」の優勝で幕を閉じました。チェンバーの弱体化、ハーバーの登場など環境に大きな変化があったなかで各チームはどのような構成を見せ、メタはどのように変化したのでしょうか。後編ではフラクチャー、ロータス、アセント、スプリットの4マップを見ていきます。
フラクチャー(登場回数:10回)
エージェントピック率(上位10エージェント)
順位 | エージェント | 使用率 |
---|---|---|
1位 | ブリーチ | 85% |
2位 | レイズ | 75% |
2位 | ブリムストーン | 75% |
4位 | キルジョイ | 55% |
5位 | KAY/O | 50% |
6位 | サイファー | 35% |
7位 | フェイド | 30% |
8位 | ジェット | 25% |
8位 | ネオン | 25% |
10位 | ヴァイパー | 20% |
10位 | オーメン | 20% |
登場した構成
2イニシエーター構成
- レイズ / ブリーチ / フェイド / キルジョイ / ブリムストーン(FNC)
- レイズ / ブリーチ / フェイド / サイファー / ブリムストーン(TS)
- レイズ / ブリーチ / KAY/O / サイファー / アストラ(TL)
- レイズ / ブリーチ / KAY/O / サイファー / オーメン(100T)
- ネオン / ブリーチ / フェイド / キルジョイ / ブリムストーン(DRX)
- ネオン / ブリーチ / KAY/O / キルジョイ / ブリムストーン(TLN)
- ネオン / ブリーチ / KAY/O / サイファー / ブリムストーン(MIBR)
- ジェット / ブリーチ / KAY/O / サイファー / ブリムストーン(NRG)
2コントローラー構成
- レイズ / フェイド / KAY/O / ヴァイパー / オーメン(DRX)
- レイズ / ブリーチ / キルジョイ / ヴァイパー / ブリムストーン(LEV)
- レイズ / KAY/O / サイファー / ヴァイパー / オーメン(NAVI)
2デュエリスト構成
- ジェット / レイズ / ブリーチ / キルジョイ / ブリムストーン(LOUD)
- レイズ / ネオン / ブリーチ / KAY/O / ブリムストーン(GENG)
※DRXは途中で構成を変更
フラクチャーは全13通りの構成が登場し、チーム間での被りは無し。昨年のChampionsではチェンバーのピック率が100%を記録していたこともあり、再びメタを探る段階に戻った模様です。
2イニシエーター構成が基本となっていますが、レイズorネオン、キルジョイorサイファー、フェイドorKAY/Oと複数の選択肢があることから多様な構成が見られました。100T / NAVI / LOUD を相手に3連勝したFNCが高い仕上がりを見せていただけに、この構成が流行する可能性も考えられます。
その他、2コントローラー構成や2デュエリスト構成も一定の支持を受けている模様です。強豪チームが採用しそれなりに結果を残しているだけに、選手のピックプールに合わせて構成を選ぶ流れとなるでしょうか。
ロータス(登場回数:10回)
エージェントピック率(上位10エージェント)
順位 | エージェント | 使用率 |
---|---|---|
1位 | キルジョイ | 75% |
2位 | オーメン | 70% |
3位 | レイズ | 55% |
4位 | フェイド | 40% |
5位 | スカイ | 30% |
5位 | KAY/O | 30% |
5位 | ブリーチ | 30% |
5位 | ヴァイパー | 30% |
8位 | ネオン | 25% |
9位 | ソーヴァ | 20% |
9位 | サイファー | 20% |
9位 | アストラ | 20% |
登場した構成
2イニシエーター構成
- レイズ / フェイド / KAY/O / キルジョイ / オーメン(NAVI)
- レイズ / フェイド / KAY/O / サイファー / アストラ(100T)
- レイズ / ソーヴァ / ブリーチ / キルジョイ / オーメン(GIA)
- レイズ / ソーヴァ / ブリーチ / キルジョイ / ハーバー(VIT)
- ジェット / ソーヴァ / ブリーチ / キルジョイ / オーメン(GE)
2コントローラー構成
- レイズ / フェイド / キルジョイ / ヴァイパー / アストラ(FNC)
- ジェット / スカイ / キルジョイ / ヴァイパー / ハーバー(LOUD)
- ソーヴァ / スカイ / キルジョイ / ヴァイパー / オーメン(NRG / KC)
- フェイド / スカイ / キルジョイ / ヴァイパー / オーメン(FPX)
2デュエリスト構成
- ジェット / レイズ / ブリーチ / キルジョイ / オーメン(EDG)
- レイズ / ネオン / ブリーチ / キルジョイ / オーメン(KRU)
- ネオン / レイナ / ブリーチ / サイファー / オーメン(RRQ)
2センチネル構成
- レイズ / スカイ / チェンバー / セージ / オーメン(PRX)
- ネオン / スカイ / チェンバー / サイファー / オーメン(C9)
- ネオン / KAY/O / キルジョイ / セージ / オーメン(FUT)
今回新登場のロータスはアタッカーサイドのラウンド取得率が60%となりました。他のマップは47-53%の間、ヘイヴンでも55%となっているため、かなり高い数字です。3サイトあるうえにA-B間、B-C間のローテートが基本的に攻め有利となっていることが影響していると考えられます。
新マップのため構成はかなり分かれていますが、なかでも全イニシエーターが20%以上ピックされている点が気になります。索敵系のアビリティを持たないブリーチやKAY/Oのみの構成もあれば、2コントローラーを活かしてスカイを採用するチームもあります。イニシエーターをどのように用いるかがカギのマップと言えるかもしれません。
アセント(登場回数:9回)
エージェントピック率(上位10エージェント)
順位 | エージェント | 使用率 |
---|---|---|
1位 | ジェット | 100% |
2位 | KAY/O | 89% |
2位 | オーメン | 89% |
4位 | キルジョイ | 78% |
5位 | ソーヴァ | 72% |
6位 | フェイド | 28% |
7位 | スカイ | 11% |
7位 | サイファー | 11% |
7位 | アストラ | 11% |
7位 | ヴァイパー | 11% |
登場した構成
メタ構成
- ジェット / ソーヴァ / KAY/O / キルジョイ / オーメン(FNC / DRX / LEV / FUR / EG / ZETA / BBL / TH / KRU)
その他
- ジェット / ソーヴァ / フェイド / KAY/O / アストラ(DRX)
- ジェット / フェイド / KAY/O / キルジョイ / オーメン(TLN)
- ジェット / フェイド / KAY/O / サイファー / オーメン(NAVI)
- ジェット / スカイ / キルジョイ / ヴァイパー / オーメン(LOUD)
アセントに登場したのは10エージェントにとどまり、13チーム中9チームが同じ構成を採用しました。メタ構成はここ1年以上の間変わっておらず、いかに完成度を高めるかの勝負になっています。
DRXはキルジョイを抜いた3イニシエーター構成で昨年から結果を残していましたが、LOUD戦に際しメタ構成に変更しています。NAVIは以前からアセントでのサイファーやフェイドを好む傾向があり、今回も2勝0敗と結果を残しました。
気になるのはLOUDが採用した2コントローラー構成でしょう。個人的にはそこまでヴァイパー採用が効果を発揮していた印象はありませんが、もともとLOUDはアセントで世界最強クラスと評されたチーム。今大会はフラクチャー以外の全マップで2コントローラー構成を採用しただけに、これを継続するのかが気になるところです。
スプリット(登場回数:7回)
エージェントピック率(上位10エージェント)
順位 | エージェント | 使用率 |
---|---|---|
1位 | レイズ | 100% |
2位 | アストラ | 79% |
3位 | ヴァイパー | 64% |
4位 | スカイ | 57% |
5位 | ジェット | 50% |
6位 | KAY/O | 36% |
6位 | セージ | 36% |
8位 | サイファー | 29% |
9位 | オーメン | 21% |
10位 | ブリーチ | 14% |
10位 | キルジョイ | 14% |
登場した構成
2コントローラー構成
- レイズ / スカイ / セージ / ヴァイパー / アストラ(GE / SEN)
- レイズ / スカイ / KAY/O / ヴァイパー / アストラ(DRX / TLN)
- レイズ / KAY/O / キルジョイ / ヴァイパー / アストラ(NRG)
- ジェット / レイズ / スカイ / ヴァイパー / アストラ(LOUD)
その他
- ジェット / レイズ / セージ / サイファー / オーメン(FNC / VIT)
- レイズ / ブリーチ / KAY/O / サイファー / アストラ(KC)
- レイズ / ブリーチ / KAY/O / キルジョイ / アストラ(EG)
昨年Stage2以来の世界大会登場となったスプリット。以前はヴァイパーアストラもしくはオーメンという2択でしたが、オーメンのワンウェイスモークが弱体化された影響か、アストラの増加が目立っています。その結果、2コントローラー構成が半数以上を占めました。
2コントローラー構成は昨年ZETAが見せたものを2チームが採用しており、セージの枠をKAY/Oに代える動きもみられています。さらにLOUDは2デュエリスト2コントローラーという構成で3勝をあげました。その他にはFNCとVITというEMEAの2チームが、2021年にAcendが使用していた2デュエリスト構成を使用。KCとEGは揃ってブリーチKAY/Oの両採用という難しい構成に挑戦しています。
採用率100%のレイズは今後弱体化されたパッチが競技シーンに適用されます。ブームボットの距離減少が少なからず影響を与えることは間違いないでしょう。今後のメタの動きが気になるマップの一つと言えます。
コメント
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ああ
僕もそうおまいましたよ