VALORANT:Act2からチーターに敗北した際のレートを回復する「ランクロールバック」が導入、チーターの報告通知システム改善やTikTokのチート広告にも警鐘

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Riot Gamesは2月5日、年末年始の休暇期間中に急増したチーターへの対応や、地域ごとに異なるチート手法の解説、Act2で導入予定の「ランクロールバック」などについて紹介する公式記事を公開しました。

先日、アンチチート部門の責任者を務めるPhillip Koskinas氏が自身のXで発信したものと同一内容ですが、改めて公式記事として公開された形となります。

目次

Vanguardが「1秒あたりバン数」の新記録を樹立。

以下、リリースを掲載

ライアットの休暇後にバンの鉄槌が唸りをあげました。

旅人の皆さん、こんにちは。私はPhillip “mirageofpenguins” Koskinas、ライアットのVanguardチームでデータを基にしたチーター対策を担当しています。この一か月間、VALORANTにおける報告件数の一時的な増加が見られました。特にブラジルなど本作の人気が高い地域で顕著でしたが、いつまでたってもゲームの腕が上達しないチーターとの終わりなき戦いについて、地域性を踏まえた最新情報をお伝えします。

ステータスレポート

まず最初に、これは幻覚ではありません──過去数週間、明らかにチーターの数が増加していました。ただし、幸いなことに、その数は急速に「妥当な」レベルに低下しました。

ライアットの休暇中はコンテンツのリリースが停止し、新たなアップデートやホットフィックスがリリースされません。チート開発者たちはまたしても、このチャンスに乗じようとしました。この期間中であれば定期的に登場する新たなチート検出アルゴリズムに対処する必要がないため、トリガーボットのようなシンプルなチートでも大きな優位性が得られるVALORANTのようなタクティカルFPSなら、未熟なチーターでも勝ちまくることができます。私たちの処理能力が限られていた間、検出されなかったチーターが、まるで思考なき病原体のように増殖し始めました。

(赤 = アジア太平洋、オレンジ = ブラジル、緑 = ヨーロッパ、紫 = 韓国、ゴールド = ラテンアメリカ、青 = 北アメリカ)


上の表はVALORANTでチーターが存在したランクマッチの試合の割合を地域ごとに色分けしたものです。興味深いことに、チーターの数が急上昇するタイミングはライアットが年末休暇に入ってコードが凍結されるタイミングとほぼ一致しています。これは私たちが新たな検出アルゴリズムをリリースできず、最も脆弱になるタイミングです。しかし、現在は私たちが戻ってきてコードも解凍されているため、厨房から愛情のこもったチート対策のフルコースが次から次へと給仕されています。その結果、チーターが存在するランクマッチの試合の割合は全世界で1%未満に低下しました。数か月はこの状態が続くと考えていますが、将来的には、(期間の長さを問わず)彼らが“イージーモード”でプレイすることがないように、私たちの休暇期間中にチーターの宿題となる“サプライズ”のアップデートを事前に計画しておこうと思います。

また、チーターの急激な増加に明確な地域差があること、ブラジルでランクマッチの10分の1にチーターが存在していたことに驚いた人も多いでしょう。

ブラジルで何が起こっていたのか?

Vanguardによって“内部”メモリーチートの有効性が低下したために、ブラジルのチーターは地域固有の傾向として、“ピクセルボット”(またの名を「カラーボット」)と呼ばれるタイプのチートを開発するようになりました。美しく高潔なチート対策者たちは、ピクセルボットを「赤ちゃんが最初に手にするチート」と考えています。こんなCV(コンピュータービジョン)アプリケーションを想像してみてください──各フレームの画面を読み込み、単純化された画像識別プログラムを適用して、敵の輪郭や頭部を素早く特定します。その後、ある手法(詳細は伏せます)でマウスイベントを送信し、特定した物に向けて、チーターのゲーム内の方向を素早く“調整”します。彼らがマウスを動かす“手法”を必要としているのは、Vanguardがすでにメインの周辺機器以外からの入力をすべて拒否しているからであり、ここで手法の詳細に触れないのは、この記事が「最速でバンされる方法」を教えるチュートリアルではないからです。

エイムする能力を持つ人にとっては馬鹿げて聞こえるかもしれませんが、現代科学によれば、チートする人は大したスキルを一切持っていないことが証明されています(もし持っているならば、とっくにそれを使っていることでしょう)。画面の読み込みは、プライベートDMAチートのように高価ではないものの、チーターの夢を叶えるものであることには違いないでしょう。これらは野山の火事のように拡散しますが、幸いなことに、インストールの簡単さと同じくらい簡単に検出できるので、そのほとんどを素早く鎮火することができました。

とはいえ、的外れな無法者たちを相手にプレイするのは楽しいことではありません。これがブラジルのプレイヤーにとって大きなフラストレーションとなっていたことは理解しており、チーターに負ける苛立ちは私たちも理解しています。チーターに対して嫌悪感を持っているのは私たちも同じです。むしろ、それが私たちがチート対策を職業としている理由です。チーターのいない環境でゲームを楽しむ皆さんの権利を守るために、私たちはすでにこの問題への対処を行っており、今後もこの戦いを続けていきますのでご安心ください。時には困難な状況もあるかもしれませんが、私たちは決して諦めません。

他の地域はどうだったのか?

これについては簡単にまとめてお伝えします。

  • KR(韓国)はゲームをプレイするのに国民識別番号が必要であり、これによってチーターを“ソウル”レベルでバンすることが可能になります。これはチーターを長期に渡ってゲーム内から排除するために驚くほど効果的であり、チーターは本作をプレイするために新たな本人確認情報を購入する必要があるので、バンの効果が高くなっています。
  • 同様に、AP(アジア太平洋)では、地域サーバーの本人確認の要件を回避するためにVPNを使用して他地域でプレイしようとするCN(中国)のチーターが多く見られました。チーターが有効なチート対策セッションを入手し難くするために、Vanguardサービスのジオフェンシングの改善に務めていきます。
  • 想定通り、NA(北アメリカ)は高価なDMAハードウェアチートの傾向が大きく、これにはフルセットアップで$1000以上の費用がかかります。“検出不能”と喧伝されていますが、彼らのDiscordチャンネルで毎月恒例のバン祭りを見れば、この緑の地球で最高のドーパミンを得ることができます。
  • EU(ヨーロッパ)は面白いことに、「ゲーリーのプール洗浄機」のような正統に聞こえる“ビジネス”の証明書を盗んだり偽造したドライバーを活用するカーネルチートが出回る状況に退化しています。これらは非常にわかりやすく目立つものなので、検出には困っていません。
    • TR(トルコ)は特殊で、過去の利用客または店主によって、チートが事前インストールされたネットカフェが数多く存在しています。ネットカフェは私たちのデバイス・バンのレイヤーで許可リストに含まれているために、チーターがペナルティーを受けずに済むという困った事態になっています。そこで、違反が繰り返されているロケーションでは、このバン無効の特権を取り消すことに着手しました。
  • LA(ラテンアメリカ)はまだピクセルボットが多い地域ですが、過去のいずれの時点においても、必要なハードウェアが検出不可能になるほど浸透していません。そのため、現時点ではチートの検出に苦労はしていません。

なぜまだチーターが存在するのか?

私たちはチートが物理的にも金銭的にも不便で高額なものになるように努めていますが、人気のあるゲームは、どうしてもチーターを引き寄せてしまうものです。Vanguardのようなチート対策があれば、ほとんどのプレイヤーはチートを利用しません。それでもチートを利用しようとする者は長期に渡ってそうあり続けます──彼らはチーターであり、チーターのコミュニティーに所属し、チートなしにはVALORANTをプレイしません。これは依存症であり、ゲーム上級者のような気分になれる興奮を得るためだけに、アカウントやハードウェアに何十万円でも費やそうとします。VALORANTは基本プレイ無料で参入障壁がほぼ存在しないので、真の意味で“永久”バンというものは存在しません。この世界で最高のハードウェアフィンガープリンティングが可能だったとしても、Vanguardがしつこいチーターを排除できる期間は限られています。彼らはいずれまた戻ってきます。

残念なことに、私たちは彼らを戻って来ないようにはできません。特定のチート手法を即座に“ブロック”するのは、実質的にチーターが直ちにチートを改善できるテストプラットフォームを提供することと同義です。彼らはチートのA/Bテストを行って、最終的にそのレイヤーで検出されないチートを見つけてしまうでしょう。残念ながら、チーターの残機には限界が存在しません。直感的には理解しにくいかもしれませんが、チートを検出し続けるための最善の方法は、私たちの対応をあえて遅らせて曖昧にすることで、チーターの進化のペースを遅らせることなのです。それぞれの試みにおいて、チーターの時間をできる限り無駄にさせる必要があります。そうしなければ、すぐに私たちにできることがなくなってしまいます。

究極的には、私たちがいずれチーターに遭遇することは避けることができませんが、彼らがアンインストールする勇気を持つ日まで、私たちはすべてのチーターを何度でもバンし続けていきます。バンと言えば…

(赤 = 人力、オレンジ = プレイヤー行動、黄色 = ヒッチハイキング、緑 = チート行為、青 = ハードウェア、紫 = 改ざん)

上の表はVALORANT x Vanguardによる過去120日間のすべてのバンのタイムラインであり、それが検出されたシステムごとに色分けしています。

  • 「人力」とはカスタムメイドの手作りバンであり、ライアットのVanguard専門家が産地直送したものです。
  • 「プレイヤー行動」とはML利用停止(別名「サーバー側」チート対策)のことであり、通常はレイジハッキングを行ったプレイヤーに与えられます。
  • 「ヒッチハイキング」はランクを上げるために故意にチーターと一緒に対戦待ちしたプレイヤーです(Vanguardがスプラッシュダメージを与えます)。
  • 「チート行為」は明白なチートアセットが検出されたアカウントであり、通常はハードウェアレベルのバンを回避しようとしたものです。
  • 「ハードウェア」はチートの常習者であり、ハードウェアフィンガープリンティングを回避しようとして滑稽に失敗した者たちです。
  • 「改ざん」は明示的に禁止されているVanguardの改ざんを試みて検出された不可知論的なチーターです。

1月10日から13日にかけての週末は記録上のバン頻度が最も高く、1分あたり約7件の利用停止措置が行われていました。多くの涙が流されてきたわけですが、ここで最も注目すべきデータはチート対策の検出“速度”です。これを計測するために、私たちは「タイム・トゥ・アクション」(対応までの時間)と呼ばれるデータを使用します。これはチーターのアカウントが強制的に現実に引き戻されて存在が無に帰すまでに彼らがプレイできた試合数のことです。2024年は、史上2番目にこの速度が高かった年であり、中央値のチーターは6試合しか完了できませんでした。6試合でも多すぎるという意見には同意しますが、現在のテクノロジーではこれが限界です。

チーターに負けた場合はどうなるの?

チーターを常に大量にバンすることで生じる問題のひとつは、チーターたちを徐々に「レイジハッキング」と呼ばれる行為に追い込んでしまうことです。検出を避けてプレイできないことを悟ったチーターは、バンされるまでの数試合で可能な限り悪質なチートを行って他のプレイヤーに嫌がらせをしようとします。これは駄々をこねる子供のようなもので、私たちは困惑する親のようなものです。ここにある唯一の本質的な問題は、大きな巻き添え被害を起こしてしまうということです。

これ以上バンに至る速度を上げることができず、チーターが居なくなることがないなら、他にできることはあるのでしょうか?Act 2より、バンが行われるたびに「ランクロールバック」が実施されて、その名が示す通り、チーターの影響を受けたすべてのプレイヤーが失ったRRが回復するようになります。チーターがいるチームにたまたま配置されて勝利した場合にRRを没収されることはありませんが、意図的にチーターと一緒に対戦待ちしようとした場合は、ヒッチハイキング行為を理由にシンプルにバンされます。

また、チーターの報告が完了した際の通知システムを改善します。現在はこのシステムに少し欠陥があり、報告したチーターがバンされた時点でログインしていたユーザーにのみフィードバックが送られていますが、まもなく「受信箱」システムを利用して、ログインするたびに、あなたが報告してバンされたチーターのリストの通知を受け取れるようになります。これによって、ユーザーは自分の判断が正しかったかが分かり、時間とともに報告の精度が上がるので、私たちも新たなチートを素早く発見できるようになるでしょう。

TikTokのチート広告については?

幸いなことに、これらのほとんどは必死になって事前に録画した映像を使ってまだバンされていないように見せかけた紹介リンクであり、映像内でプレイに利用されているアカウントを検索すれば、バンされていることを確認できます(または右下のクライアントバージョンのウォーターマークを見れば分かります!)。

しかし、“企業家精神”旺盛な一部のチート開発者は、該当プラットフォームの配信モデレーションの欠如を利用して、そのユーザーに自分たちのためにチートを宣伝すれば、将来“無料”のサブスクリプションを提供するという雲を掴むような約束をしています。関与する全員にとって残念な話ですが、これらはすでに検出されているチートの名前を変えているだけであり、バンされる前の数試合を使って、できる限り多くのサブスクリプションを売りさばいて、そのまま売り逃げしようとしているだけです。これについて特に何か対策を講じる予定はありません。私たちにできる助言は、バンされたいのでない限り、それをダウンロードしないことです。

おわりに

チーターは常にVanguardの突破を試みているので、私たちの作業に終わりはありません。この「いたちごっこ」には弛まぬ努力が必要ですが、私たちは常にその準備ができています。私たちはすべてのチーターがいなくなるまであらゆる手段を講じるつもりであり、公平にプレイしようとしないプレイヤーには、このコミュニティーに居場所はないという断固とした態度で臨んでいきます。

お読みいただきありがとうございました。また、このゲームをプレイして、報告ボタンを押していただきありがとうございます。それが私の励みになります。それでは、また!

関連リンク:Vanguardが「1秒あたりバン数」の新記録を樹立。

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コメント

コメント一覧 (11件)

        • スマーフは汗以上じゃない?
          プロもランクリセットされると汗まで落ちるし別格に強い相手と当たるのはしゃーない
          トロールはどこでもいるがランク上がるほど割合は下がる気がする

    • valoで言われてるトロールって本来の意味からかけ離れて「(俺視点)こいつ下手すぎ」になってることあるよな
      本来の意味(暴言・妨害・自殺)なら妨害行為とかで通報すればちゃんとペナルティ行くから通報すりゃいいのに、何故か「通報したら負けだから」「めんどくさい」とか真顔で言いだす奴もいるけど

  • ダイヤ、汗ぐらいの中間層の実力差が一番ぐろい。前actプラチナのダイヤと前act芋のアセがマッチングするのほんとにやばい。

  • ランクの高い人にサブ垢でブーストしてもらったり、垢を貸して上げてもらったりと周りは多い。
    それで上がった人ってカスタムすると下手でバレる。だから自分は汚い事をしてまで上げない。カスタムで恥をかくなら適正でいい

  • トロール、AFKでも戻ってくるようにしてくれ。
    チーターより明らかに多い。

  • VALORANTにおけるチート問題は、公平な競技環境を前提に課金しているプレイヤーにとって重大な不利益となり、運営の不十分な対応は消費者契約法や景品表示法の観点から問題視される可能性があります。過去に消費者庁がゲーム業界に介入した事例もあるため、個別ではなく集団で相談を行うことで、適切な対応を求める圧力となり、より強固なチート対策が実施される可能性が高まります。

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