βテストから現在まで、2020年競技シーンにおけるメタの変遷
VALORANTに関する情報を発信している海外のYouTubeチャンネル「AnderzzTV」は、これまでのVALORANT競技シーンにおける「メタの変遷」を解説した動画を投稿し、話題となっています。
同チャンネルを運営するAnderzz氏は、FPXアナリストのd00mbr0s氏や、BONK、FAZEの元コーチSalah氏、SUMN FCのキャプテンBoaster氏をゲストに招き、VALORANTのオープンβテストから現在まで、2020年のVALORANT競技シーンにおけるエージェントメタの移り変わりを各大会を振り返りながら解説した動画を投稿しました。
VALORANT始動から最初の1年、2020年のメタの移り変わり
オープンβテストのブリーチ・ブリムストーン・サイファー・セージといったスタンダートな構成から始まり、正式リリース時(パッチ1.00)では、オーメンを軸にした構成が登場。同じくパッチ1.00では、まだセージが強力なエージェントだったにも関わらず、セージをあえて外した構成が台頭し始めました。2度目の国内公式大会「RAGE VALORANT JAPAN TOURNAMENT」では、ほぼ全てのプロチームが例外なくセージを取り入れた構成を採用する中、Absolute JUPITERはセージを1度も使用せずに勝利を重ね、海外のメタをいち早く取り入れた斬新な構成で見事優勝を飾りました。
今年8月に開催されたEU大会「LVL Clash 2」の決勝戦:G2 vs BONKの試合では、BONKがスプリットで当時使用率が最も低かった「ヴァイパー」を取り入れた構成を採用。結果としては惜しくもG2に敗北してしまいましたが、この頃からスプリットでヴァイパーを使用した構成が時々見られるようになりました。
リリース当初は評価の低かったジェットですが、今年8月頃からは、ジェットのテイルウィンドを起点とした攻撃や、オペレーターとのシナジーなどが評価され始め、韓国のプロチーム「Vision Strikers」スタイルの構成がメタとなっていきました。6、7月開催の大会においてジェットの使用率は7~10位あたりでしたが、10~11月に開催された公式大会「FIRST STRIKE」では、ジェットの使用率はほぼTOP3入りしています。こちらの動画では、9月に開催された国内大会「A.W EXTREME MASTERS」でTwitterのトレンドにも入った、REJECT Dep選手のビッグプレーが「JETT DIVE」の例として紹介されています。
【A.W EXTREME MASTERS GRAND FINAL】
— VALORANTニュース🇯🇵 (@ValorantNews_jp) September 21, 2020
RC Dep選手(@Dep_ow) の凄すぎるHGスーパープレイ😱😱https://t.co/5zlpZ1ki0l@RC_REJECT|@JUPITER_GG#AWEM #VALORANT #ヴァロラント pic.twitter.com/olCnPUDgP3
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「FIRST STRIKE」の開幕当初には、パッチ1.07での大幅弱体化によって使用率が激減していたセージを再び取り入れた、”原点回帰”とも言える懐かしい構成が時折見られるようになりました。
「FIRST STRIKE」のNA予選決勝戦:TSM vs FAZE CLANの試合では、Wardellを擁する「TSM」がセンチネル系エージェントを捨て、3デュエリスト構成を採用。結果として3-1でFAZE CLANに勝利しました。2デュエリストが一般的と言われているVALORANTで、守りの要であるセンチネル系エージェントを除外したこの3デュエリスト構成は、個々の撃ち合いの強さや連携力があるからこそ活かせる構成だと評されています。
12月に開催された日テレ主催eスポーツ大会「eGG esports challenge G-Tune VALORANT INVITATIONAL」では、Absolute JUPITERが異例の4デュエリスト構成を披露し、実況解説や大会視聴者を驚かせました。同チームのヘッドコーチである”XQQ”氏は後日談として、Absolute JUPITERの各選手のフィジカルの強みを生かした構成であると語っています。
4 duelistは必要なフィジカルレベルも高いしかなりふざけた構成ではあるけど、みんながValorantをプレイする上で忘れてはいけない要素の塊なので頑張って汲み取っていって欲しい、ValorantはFPSでもあるし、スキルベースのゲームでもあるのでバランス取って良い具合に両立させる必要がある
— XQQ 🐱⚡ (@IAMXQ) December 20, 2020
本大会は1日開催の大会ということ、そして直近で開催された「FIRST STRIKE JAPAN」では、Absolute JUPITERが定石通りの構成で出場していたことにより、対戦相手のプロチームは対策が取れず、意表を突かれた形での対戦になったことが予想されます。この4デュエリストを機に、今後他のプロチームはAbsolute JUPITERがどういった構成で来るか予測しづらくなったため、対策はより一層困難を極めるものになったと言えるでしょう。
「FIRST STRIKE」のEU準々決勝戦では、EUのプロチーム「SUMN FC」がPurple CobrasやFunPlus Phoenix相手にバインドでヴァイパーを取り入れた構成を採用。Purple Cobrasには13-4、FunPlus Phoenixには13-6で圧倒し、観客を大いに沸かせました。VALORANTのリリース当初からアビリティ自体のパワー不足、扱いの難しさが原因で使用率が一貫して低いヴァイパーですが、度重なる上方修正を経たことにより、最近ではJUP crow選手やCAG million選手のヴァイパーなど、構成に取り入れるチームも徐々に増えてきました。
2021年1月中旬頃からの開催が予想されるVALORANTの新シーズン「Episode 2」では、デュエリスト系の新エージェントの追加が予定されています。2021年はどのような構成がメタとなっていくのか、非常に楽しみです。
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