「Logicool G703h」をレビュー:ゲーミングマウスも有線からワイヤレスの時代へ。
ワイヤレスタイプのゲーミングマウスは徐々に普及しつつあるものの、現段階ではまだ選択肢が豊富にあるとは言えません。
そんな中で今回はAmazonの売れ筋ランキング(2020/9/5時点)で第3位の人気製品である、Logicool G(ロジクールG)のワイヤレスゲーミングマウス『Logicool G703h』を1週間ほど使用してみての使用感レビューをしてみたいと思います。
G703h スペック表 | |
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メーカー | Logicool |
型番 | G703-Hero |
接続タイプ | 有線/ワイヤレス |
デザイン | 右利き用 |
センサー | HERO 16K |
DPI | 100~16,000 |
ポーリングレート | 1000/500/250/125 |
ボタン数 | 6個 |
電池駆動時間 | ライトオン:35時間, オフ:60時間 |
サイズ | 長さ124mm/幅68mm/高さ43mm |
重量 | 重量95g (追加オプションで+10g) |
保証期間 | 2年間 |
オープン価格 | 12,320円 |
『G703h』外観レビュー
外装パッケージ
付属品
- G703h本体
- LIGHTSPEED ワイヤレスレシーバー
- 充電/データケーブル
- レシーバー延長アダプター
- 10gウェイト×1
- 取扱説明書、保証書、保証規定
G703h マウス本体
G703hは左右非対称型、右利き用のワイヤレスゲーミングマウスとなっています。メインボタンと背中の表面加工はスベスベとした肌触りの良いマット仕上げですが、サイド部分には滑り止めのためのラバーコーティングが施されているため、適度なグリップ感を得ることができます。全体的な形状としてはRazerのDeathAdderに似ているなという印象を受けました。
サイドボタンはDeathAdderと同様、かなり大きめのサイドボタンが2つ備わっています。
マウスホイールの中央にはRGBライトが埋め込まれており、後述する専用ソフトウェアで設定すると好みの色・パターンで光らせることができるようになります。
ホイールの下部分にはDPI切り替えのボタンがあり、ここを押す度に予め設定しておいたDPIに切り替わっていくという仕組みです。このDPI切り替えボタンは任意のスイッチ・マクロに割り当てることも可能です。
G703hの充電は正面の差し込み口に付属のmicroUSBケーブルを接続して充電を行います。差し込みに苦労するといったこともなく、スムーズに取り付け/取り外しが可能です。
G703h マウス背面
センサーは中央部に取り付けられており、センサーの横に電源スイッチが付いています。
マウスソールは上下に1枚ずつとセンサー周辺にO型のソール1枚、計3枚のマウスソールが張られています。マウスソール自体が比較的大きめなので、小さめのソールが5箇所に設置されている「G Pro Wireless」と比べると滑りはそこまで良くないかなと感じました。
G703hはマウスの背面に付属の10gの重り(ウェイト)を装着できる仕様になっています。カバーはマグネット式になっているのでいつでも簡単に取り外すことが可能です。G703hをワイヤレス充電するためのワイヤレス充電レシーバーを装着する機能も兼ねています。充電レシーバーとウェイトとの併用はできないようです。
ワイヤレスレシーバー
付属のmicroUSBケーブルとワイヤレスレシーバーをレシーバー延長アダプターに装着し、ケーブルをPCへ接続するだけでG703hへの接続が完了します。たったこれだけですぐに使えるようになるので、ワイヤレスの接続に苦労するといった心配はありません。
『G703h』使用感レビュー
デザイン / 持ち心地
全体的な形状としてはよくあるIE3.0クローンの左右非対称型マウスです。ただし他のIE3.0クローン型マウスと大きく異なる点はやはりワイヤレス(無線)接続であるという点です。
最初に持ってみた感想としては、重量が少し重めでお尻部分(手のひらが当たる場所)の高さが結構あるなという印象でした。DeathAdder Eliteと比較すると、こちらはケーブル抜きで70g強なのに対してG703hは95gと、重量に25gほどの差があります。最近は軽量マウスがトレンドなので、それに慣れている人からするとG703hの重さには少し違和感を感じてしまうかも知れません。
全体的なデザインはG703hと同じくIE3.0クローン型であるDeathAdderとよく似ていますが、DeathAdderがトップからお尻にかけてゆるやかな形状をしているのに対し、G703hはお尻部分のふくらみが大きくなっています。このため、G703hはかぶせ持ちをした際にDeathAdderと比べると手の平に若干の圧迫感を感じました。逆に言えばフィット感が強いとも言えるので、ここは人によって好みが分かれるのかなと感じました。
薬指・小指が当たるマウスの右サイド面は、DeathAdderが内側にややカーブしているのに対し、G703hはほぼ直線的なフォルムとなっています。どちらが良いかは人によると思うので断言はできませんが、個人的にはDeathAdderの方が握った時のフィット感は強いと感じました。親指が当たる左サイド面に関してはどちらも深くえぐられているような形状をしており、特に差は感じられませんでした。
G703hのメインボタンはそれぞれ独立しているセパレートタイプになっており、どこを押してもクリック感にあまり差がないため、さまざまなスタイルに対応していると言えます。クリック感は柔らかすぎず硬すぎない、短いストロークの軽快なクリック感です。
サイドボタンは若干柔らかめではあるものの、適度なクリック感で且つ高めの位置にあるので使用中に誤爆するといったような心配はないでしょう。
ホイールスクロールは若干柔らかめで、”カリカリ”としたしっかりノッチ感があるタイプではなく、比較的静かに回るタイプのホイールです。ホイールのクリック感はやや硬めで連続クリックする場合は少しもたつくかな、といった印象を受けました。ホイール自体のガタツキはなく、全体的に高級感のある使い心地となっています。
センサー / ワイヤレス
有線からワイヤレスマウスに乗り換える際に一番の懸念点となるのはやはり、遅延とバッテリーの持ちではないでしょうか。
G703hにはこの前発売されたばかりの「G Pro Wireless」の新型モデルにも採用された、第2世代光学式センサーの「HERO 16K」が搭載されており、その電力効率は前世代センサーの約10倍とも言われています。カタログスペックの電池駆動時間はRGBライトオン時で35時間、オフ時には60時間と記載されていますが、体感ではそれ以上に持つ印象です。実際に私がG703hを充電するペースは3、4日に1回ほどだったので、バッテリー残量に関してはあまり気にすることなく使用することができました。また、旧型モデルであるG703と比べるとG703hのバッテリー駆動時間は約2倍になっています。
さらにG703hはワイヤレス充電にも対応しており「Logicool G POWERPLAY」を使用するとマウスの使用中も常に給電されるため、充電をする手間が一切無くなります。Logicool G POWERPLAYはAmazon価格で約1万8千円と、ワイヤレス充電システムを構築するための費用としてはやや高いような気もするのですが、充電の手間が一切なくなると考えれば購入する価値はあるでしょう。ただ、値段が値段なので一度マウス本体を触ってみてから購入することをおすすめします。
- 「G POWERPLAY」は現時点ではG502WL/G703h/G903h/G Proに対応。
ワイヤレス面では遅延の少ない安定したパフォーマンスが特徴の「LIGHTSPEEDワイヤレステクノロジー」が搭載されており、ロジクールの公式ページでは「多くの有線ゲーミングマウスよりも高速」と紹介されています。レポートレートが1msということでワイヤレスながら超低遅延を実現しています。実際に1週間ほどVALORANTで使用してみて遅延を感じたことは一度もありませんでした。使用中の接続切れも当然一度も発生していません。
G703hのリフトオブディスタンス(LoD)は1mm前後と非常に短いため、マウスを持ち上げる回数が必然と多くなるローセンシやミドルセンシのプレイヤーにとっては非常に有り難いのではないでしょうか。
専用ソフトウェア『Logicool G HUB』
G703hを設定カスタマイズする際には専用のソフトウェア「Logicool G HUB」を使用します。Logicoolの最新デバイスは全てこちらのソフトで一元管理ができるようになっています。
DPIは最小100から最大16000まで50刻みで好きなDPIに設定することが可能です。ポーリングレートは1000/500/250/125の4段階から選べます。
他には、ホイールとロゴのRGBライトの設定、ボタン割り当てなどの設定を行うことができます。RGBライトは1,680万色から好きな色を選ぶことができ、ライティング効果も以下の5種類から選べるなど非常に細かいカスタマイズが可能となっています。
- 固定 (単色/常時点灯)
- サイクル (色がゆるやかに移り変わる)
- ブリージング (単色/呼吸のようなゆっくりとした点滅)
- スクリーンサンプラー (あらかじめ設定した画面上のコンテンツに連動してそれに合わせた色に点灯)
- オーディオビジュアライザー (PCから発せられる音に合わせて点灯)
RGBライトに関する詳細はロジクール公式HPよりご覧ください。
総評:IE3.0クローンとして完成されたワイヤレスゲーミングマウス
- 最新センサーHERO 16Kを搭載したことによる高精度なトラッキング
- 安定した接続にレポートレート1msの超低遅延を実現
- ケーブルの煩わしさが無くなり、ストレスフリーに
- 1mm前後の非常に短いリフトオブディスタンス
- 100から16000dpiまで50刻みで細かく設定できるDPI設定
- サイド面がラバークリップ仕上げのため、適度なグリップ感を得られる
- オンボードメモリを搭載しているので、どのPCでも接続するだけで同じ設定で使用可能
- 重量がやや重い (95g, G Pro Wirelessは80g)
- ホイールクリックがやや硬め
- トップからお尻にかけたラインがやや膨らんでいるので、人によってはここが少し気になるかも
『Logicool G703h』の全体的な評価としては、高性能なセンサーに低遅延のワイヤレスと非常に完成度が高い次世代のワイヤレスゲーミングマウスだと感じました。G703hは現時点においてはワイヤレスゲーミングマウスのスタンダードモデルと言えるのではないでしょうか。先ほども述べたように、やや重めな本体重量とお尻部分の高さが気にならない場合は非常におすすめできるゲーミングマウスです。
G703hは多くのVALORANTプロゲーマーからも人気があるマウスです。G2 Esportsのmixwell選手、Absolute JUPITERのReita選手などが使用しています。
- G2 Esports: mixwell選手
- TSM: Myth選手
- Absolute JUPITER: Reita選手
- REJECT: HaReeee選手
DeathAdderやZOWIEシリーズなどの左右非対称型のマウスを使用していてそろそろワイヤレスへの乗り換えを検討している方は一度試してみる価値のあるマウスだと思います。「ケーブルの無いマウス」というのはおそらく皆さんが想像している以上に快適なゲーミングライフを与えてくれます。一度ワイヤレスを体験してしまうと、もう煩わしい有線マウスには戻れません。
G703hに関する質問などがあればコメントにてお願いします。次回は「G Pro Wireless」のレビューをお届けする予定です。
コメント
コメント一覧 (1件)
ちょーどこれこないだ買ったばっかだけど本当に使いやすい、しかも電池持ちがかなり良い