VAXEE ZYGEN NP-01 / NP-01Sをレビュー:独自の形状で抜群のフィット感をもたらすゲーミングマウス
本稿では、ゲーミングデバイスブランド「VAXEE」より発売されているゲーミングマウス「ZYGEN NP-01 / NP-01S」をレビューしていきます。
製品概要 / スペック
VAXEEは2020年、ZOWIEの創設者らによって立ち上げられたゲーミングデバイスブランド。中でも日本FPS界のレジェンドであるnoppo氏と共同開発された「ZYGEN NP-01シリーズ」は、左右対称と非対称型の良いとこ取りをした独自の形状が大きな話題となり、国内外で売り切れが続出している人気製品。国内ではZETA DIVISIONのLaz選手が使用していることでも知られています。本稿では、そんなNP-01 / NP-01Sの魅力についてレビューしていきます。
カラーラインナップ | ブラック / ホワイト / ピンク / イエロー |
形状 | 左右非対称 |
接続方式 | 有線 |
サイズ | NP-01S 39×59×120mm / NP-01 36×57×120mm |
重量 | NP-01S 71g / NP-01 75g |
ボタン数 | 5個 |
センサー | PixArt PAW3389 |
DPI | 400 / 800 / 1600 / 3200 DPI |
ポーリングレート | 125 / 500 / 1000Hz |
LOD | 低 / 中 / 高 |
スイッチ | Huano 60g |
デバウンスタイム | 2 / 4 / 8ms |
ケーブル | USB 2.0 / 3.0 パラコード |
ライティング | なし |
保証期間 | 1年間 |
開封 / 同梱品
- マウス本体のみ
外観をチェック
様々な角度から
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ビルドクオリティ
NP-01 / NP-01Sともに全体的にたわみや軋み等なく、ビルドクオリティは非常に良好。ボタンやホイールの遊びも少なく、堅牢にして質実剛健な印象を受けます。
ただ一点、サイドボタンの下部を強めに押すとクリックが反応してしまうことが発売当初コミュニティで話題になりました。ただし、相当強い力で押し込まない限りは反応しないため、一般的な使用方法では全く問題ないと言える範囲です。
形状と操作感
NP-01シリーズの形状は、左右対称マウスの「ZOWIE S2」がベース。一見すると同じ形状に見えるものの、NP-01は右側が少し膨らんだ独特な左右非対称の形状になっています。
NP-01シリーズの本体後部はフラットな形状でありながら、右サイドは左右対称と非対称の中間のような形状をしており、薬指と小指に絶妙なフィット感を得られるのが最大の特徴。薬指と小指の付け根に当たる部分が一般的な左右対称マウスよりもゆるやかな形状になっているため、無駄な隙間が生まれず、非常に高い密着感を得られます。
サイド部分は深めの逆ハの字型で指の収まりが良く、しっかりと挟み込めているような高いグリップ感が得られます。本体塗装はすべすべとしたマットな質感で適度なグリップ感があります。
また、本製品は手のひらに当たる後部が一般的な左右非対称マウスよりも低くなっていることも特徴の一つ。さらに、NP-01Sでは後部の高さがより低く設計されており、手のひらに感じるボリューム感はNP-01よりも少なめ。つかみ持ち・つまみ持ちにより適したデザインになっています。
NP-01とNP-01Sの比較では、NP-01は「Logicool G PRO X SL」とほぼ同等のサイズ感となっており、標準的もしくはやや大きめの部類に入るかと思います。対するNP-01Sは横幅が一回り小型化されているほか、より低背かつ軽量化されているため、一段と取り回しがし易いように感じます。実際のサイズ感としては、スペック以上に明確な差があるような印象を受けました。
NP-01はかぶせ持ちを含む様々な持ち方が可能で、一方のNP-01Sはつかみ持ち・つまみ持ちにより特化したマウスであると感じました。
NP-01とNP-01Sの違いについて
NP-01Sは、初代NP-01のデザインコンセプトを踏襲したモデルで基本的な仕様は同じですが、手のひらに当たる後部がより低背になり、幅も狭くなっています。重量に関してもNP-01が公称値75gなのに対し、NP-01Sは71gと約4gほど軽量化されています。詳細についてはVAXEE公式の比較記事よりご確認ください。
余談にはなりますが、本製品のデザイン開発を担当したXanver氏は、NP-01シリーズは左右対称のようなコントロール性と左右非対称のような快適な使用感を両立させるために開発された製品であると述べています。同氏はマウス形状の特徴について以下のような見解を述べています。
・左右対称マウスはコントロールし易いが、薬指と小指が疲れやすい
・左右非対称マウスはコントロール性には欠けるが、より快適な使用感をもたらす
メインボタン / サイドボタン
メインボタン
NP-01シリーズのメインボタンはセパレートタイプかつフラットな形状。クリック感は明瞭でカチッとした良好なレスポンスを得られます。硬さは標準的で、比較的軽いクリック感のG PRO X SLよりは若干硬めといった印象。しっかりとしたクリック感と短めのストロークで跳ね返りも強いため、かなり連打がし易いような印象を受けます。
サイドボタン
サイドボタンのクリック感は標準的で、隙間のない結合型で細長い形状。メインボタン同様に明瞭なレスポンスが得られます。
NP-01とNP-01Sではサイドボタンの形状に違いがあり、NP-01Sでは誤クリックを防ぐために、より小さく直線的な形状になっています。実際にNP-01ではフロント側のサイドボタンがやや下方にカーブしており、持ち方によっては親指と接触する可能性がありますが、NP-01Sではより直線的で小さくなっているため、親指のスイートスポットが広くなっています。
ホイール
ホイールのスクロール感はかなり明瞭なノッチ感があり、コリコリと大きめの音がなります。溝加工もタイヤの如く深い溝が切り込まれており、大きめのスクロール音と引き換えにコントロール性は抜群です。
ホイールのクリック感はかなり硬めで、クリックを多用する方には少し厳しいかなといった印象。有線という点を除いては本製品唯一の欠点といえるかも知れません。
ホイール部分に関しては全体的に賛否両論ありそうな印象を受けました。ホイールの操作感についてはVAXEEの公式動画でも触れられており、今後さらに研究を重ねていくとのこと。今後の改良に期待です。
マウスソール / センサー
NP-01シリーズのマウスソールは、上下2箇所に貼られているタイプ。厚みは0.6mmで、材質は摩擦力が小さく滑りやすいPTFE。滑りは標準的で、エッジ部分も処理されているのでマウスパッドとの引っかかりは感じられません。
以前は0.45mmのソールが標準装備されていたようですが、その薄さゆえにマウスパッドとボトムシェルの干渉が一部で問題となっていたようで、現行モデルでは0.6mmが標準装備となっています。別売りで0.45mmソールも単体販売されています。
センサーにはPixArt社のPMW3389を搭載しており、本体のほぼ中央に位置しています。VAXEE社のマウスでは専用ソフトウェアは用意されておらず、マウスに関する設定はすべて本体で行う必要があります。
底面には左からDPI切替ボタン(400 / 800 / 1600 / 3200)、ポーリングレート切替ボタン(125 / 500 / 1000Hz)、クリック応答速度(2 / 4 / 8ms)の3つのボタンが設置されており、ここから各種設定を変更することが可能です。
重量 / ケーブル
重量は公称値でNP-01が75g、NP-01Sが71g。重量差はわずか4gほどですが、実際に手に持ってみると幅がより狭くなったこと、後部がより低背になったことも相まって、NP-01Sの方が一回り軽いような印象を受けます。
ケーブルはやや硬めで芯が残った感じで、マウス本体には根本が浮くように上向き構造で取り付けられています。さすがにワイヤレスのようなストレスフリーな操作感とまではいきませんが、実際にしばらく使用してみた感想としては上向き構造の恩恵もあり、ケーブルの煩わしさは思っていたほど気になりません。
他製品との外観比較
※左からVAXEE NP-01S / NP-01 / Logicool G PRO X SUPERLIGHT
総評:独自の非対称形状が秀逸、良いとこ取りをした唯一無二のマウス
NP-01 / NP-01Sは、無駄な装飾を省き、ユーザー体験を究極に追求したマウスであると感じました。左右対称型の安定した操作感を実現しつつ、左右非対称型のような快適な操作感をもたらすエルゴノミクスデザインを一部に取り入れた、現状唯一無二のデバイスではないでしょうか。
全体的なフォルムとしてはベースとなった「ZOWIE S2」はもちろん、ワイヤレスマウスの定番「Logicool G PRO X SL」とも近く、かなり万人受けするような形状になっています。
気になる点を挙げるとしたらやはり有線であることのほか、重量がやや重めなこと、スクロールホイールの音の大きさとクリック感の硬さが挙げられます。ただし、2023年1月21日にはVAXEE初のワイヤレスマウス「XE Wireless」が発売され、同年7月-9月にはNP-01シリーズ / OUTSET AXのワイヤレス版の発売がVAXEE公式よりアナウンスされています。VAXEEのマウスが気になっている方はこちらを待ってみてもいいと思います。
ワイヤレスが主流になりつつある現代において、有線であることはそれだけで選択肢から外れるほど大きなマイナスとなり得るポイント。しかし、それを差し引いてもNP-01シリーズの独自の形状には大きな魅力があり、有線ながら多くのプレイヤーに支持されていることにも納得できます。特に薬指と小指の付け根から先端までのフィット感が秀逸で、他にはない唯一無二のフィット感を得ることができるマウスです。
個人的にはどちらかというとより軽量でダイレクトな操作感のある「NP-01S」の方がおすすめ。マウス選びに悩んでいる方はぜひ一度試してみて欲しい製品です。
- 左右対称と非対称の良いとこ取りをした独自の形状
- 優れたビルドクオリティ
- 明瞭なクリック感で跳ね返りが強く、連打がしやすい
- フラットで使い手を選ばない形状のメインボタン
- 低背設計で圧迫感のないフィット感(NP-01S)
- ハイエンドセンサー「PixArt PMW3389」を搭載
- 有線タイプ(ワイヤレスモデルが2023年7月-9月に登場予定)
- ホイールのスクロール音が大きめ&クリック感が硬い
- 重量がやや重め
コメント
コメント一覧 (2件)
vaxeeマウス、最高です。
01だと大きいけど01sだと小さいんよな