Pulsar Xlite Wirelessをレビュー:卵よりも軽い、シンプル&高コスパの超軽量ゲーミングマウス
本稿では、Pulsar Gaming Gears様よりレビュー用にご提供いただいたゲーミングマウス『Xlite Wireless』をレビューしていきます。
『Xlite Wireless』は、“シンプルだけど妥協なし” をコンセプトに開発された同社の第1作目「Xlite Gaming Mouse」をワイヤレス化・アップデートした製品。可能な限りのシンプルさと耐久性を追求した本製品の魅力をお伝えしていきます。
- 1万円以下でワイヤレス対応の軽量ゲーミングマウスが欲しい
- IE3.0/EC2クローンの形状が好み
- ゴテゴテしたデザインが苦手、シンプルかつ洗練されたデザインが好み
- 充実したメーカーサポートを求めている
- そろそろマウス沼から抜け出したい
製品概要・スペック
商品名/型番 | Xlite Wireless |
本体カラー | ブラック/ホワイト/レッド |
形状 | 右手用・エルゴノミック形状 |
接続方式 | 無線/有線 |
バッテリー持続時間 | 最大70時間 |
サイズ | 122.66×66.17×42mm |
重量 | 58g (実測値) |
ボタン数 | 5個 |
センサー | PAW3370 |
DPI | 50-20000 DPI |
ポーリングレート | 1000Hz/1ms |
スイッチ | Kailh GM 8.0 |
ケーブル | Superflex パラコードケーブル (USB Type-C) |
ライティング | 1箇所 (DPIインジケーター) |
オンボードメモリー | 32bit ARM |
保証期間 | 2年間 (30日以内の返金保証あり) |
製品開封
パッケージ
外装パッケージはコンパクトな紙箱となっており、上蓋を開けるとすぐにマウス本体が登場。パッケージデザインには70時間超のバッテリー持続時間、本体重量58gという点が大きく強調されています。
本体カラーは今回レビューするホワイトのほかに、ブラック、最近発売された新色のレッドの3種類が用意されています。
同梱物
- 『Xlite Wireless』本体
- USB-C ケーブル
- ワイヤレスレシーバー
- ワイヤレスレシーバーアダプター
- ブランドロゴステッカー
- 取扱説明書
外観チェック
さまざまな角度から
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左右非対称型のエルゴノミクスマウス
『Xlite Wireless』の全体的な形状には、BenQの代表作マウス「ZOWIE ECシリーズ」を踏襲した左右非対称型のエルゴノミクスデザインが取り入れられています。ECマウスが手元にないため正確な比較はできませんが、他レビューを見ている限りではサイズ感・形状に関してはおおむね同一と考えていいでしょう。
軽量さを追求したボディシェル
本製品最大の特徴といえる”軽量さ”を追求するため、シェル部分は限界まで肉抜きされた穴あき構造になっています。また近年増えつつある一般的なハニカムデザインではなく、スリット状にくり抜かれた構造になっており、非常に洗練された印象を受けます。
トップ/サイドシェルは、ボタン部以外はすべて穴あきの構造になっています。ボトムシェルに至っては底面フレームが大胆に肉抜きされており、軽量化への徹底ぶりが伺えます。
マットな質感に高水準のビルドクオリティ
シェル素材には耐衝撃性に優れたABS樹脂が使用されており、光沢のないすべすべとしたマットな質感に仕上がっています。手が乾燥した状態で持つとやや滑りやすさを感じますが、後述するグリップテープを貼ることでグリップ感が抜群に増します。
穴あき構造マウスの最大の懸念点である耐久性に関しては、他社大手メーカー製品と比べても遜色ないレベルに仕上がっています。試しにシェルを強めに押し込んだり激しく振ってみたりしたものの、軋みやたわみ、ホイール部のカタつきといった現象は一切見られませんでした。米軍のMIL規格に準拠したと謳っているだけあって、見た目のイメージとは裏腹に非常に堅牢な作りとなっています。ビルドクオリティに関しては文句なしの仕上がりであると言えるでしょう。
公式からグリップテープが発売。グリップ感は非常に良好
グリップ感に関しては、マットな質感&穴あき構造ゆえに滑りやすさが気になるとのレビューもちらほらと散見されます(個人的にはそこまで気になりませんでした)。ただし、公式から発売されている「滑り止めグリップテープ」を使用することでグリップ感がかなり増すので、特に問題はないかと思います。
メインボタン
メインボタンは一体型になっており、スイッチには最大8000万クリック耐久の「Kailh GM 8.0」が採用されています。
クリック感に関しては、手持ちのマウス「Logicool G PRO SUPERLIGHT」「VAXEE NP-01S」が比較的軽めである一方、本製品はやや硬めのクリック感です。クリック音は「カチカチッ」とした感覚で適度な硬さの跳ね返り感が得られます。
一体型ではあるもの、クリックポジションによって押し心地が変化するということもなく、一般的な持ち方をした場合には均等なクリック感を得られるはずです。ただし、ホイールより下の方になってくるとさすがに硬めの押し心地になるので注意を。
クリック音を聞く (左→右)
サイドボタン
サイドボタンはやや大きめな作りになっており、クリック感は非常に軽快でストロークも短め。「コトコトッ」と小気味のいい音が鳴ります。非常に押しやすく、連打もしやすいサイドボタンです。
クリック音を聞く (前→後)
ホイール
ホイール部分には細かな溝加工がされており、チルト機能はなし。ノッチ感はやや弱めで、スクロール音は非常に静かです。
ホイールのクリック感は適度な硬さで「カチカチッ」と音がなります。押下圧は「Logicool G PRO SUPERLIGHT」に近いと思います。ホイールの高さはやや低めに設計されています。
スクロール音を聞く
クリック音を聞く
マウスソール
マウスソールはフロント/中央Oリング/リアの3箇所。素材には純度100%のPTFE樹脂(テフロン)が採用されています。エッジ部分にはラウンドエッジ加工が施されており、マウスパッドとの引っ掛かりなどは感じられません。
滑りに関しては、標準ソールにしては非常にスムーズな滑りです。試しに手持ちのマウス「Logicool G PRO X SUPERLIGHT」「VAXEE NP-01S」(いずれも標準ソール)で比較してみましたが、この中だと本製品の標準ソールが最もよく滑るといった印象です。標準装備品としては非常に高品質なソールであると言えるでしょう。
ユーザーが好みに合わせて選べるように3種類の標準ソールが公式から発売されています。また強化ガラス素材で作られたとんでもなく滑るマウスソール「Superglide」も最近販売が開始されています。こちらも後日レビュー予定。
センサー・電源スイッチ
マウス底面は、軽量化のために必要部分以外はすべて肉抜きされた特殊な構造になっています。
『Xlite Wireless』のセンサーには、PixArt社の最新フラグシップセンサー「PixArt PAW3370」を採用。最大解像度:20000DPI、最大加速度:50G、リフトオフディスタンス:1-2mmと2021年時点では文句なしの性能を誇るセンサーです。本稿ではセンサーテストは割愛しますが、VALORANTのトッププロであるTenZ選手が使用していたことでも一時話題になった「ENDGAME GEAR XM1r」にも同じセンサーが搭載されています(ちなみにスイッチも同じ)。
センサー位置はややフロント寄り(メインボタン側)に配置されています。一般的にフロントセンサーは、マウスの可動域が広くなることでより指先の感覚と一体化した細かなAIMが可能になると言われています。好みが分かれるポイントではあります。筆者は普段「G PRO X SUPERLIGHT」を使用していますが、特に違和感なく操作できました。
また、重心位置に関しては、内部パーツがすべてフロント部分に組み込まれている関係上、センサー付近の前方寄りになっています。一般的に重心位置はセンサーに近い方が直感的に操作できるため、こちらも特に問題ないと言えるでしょう。
重量
重量に関してはメーカー公称値の58gとほぼ同じ58.3gでした。『Xlite Wireless』の競合製品である「Logicool G703h (約95g)」「ZOWIE EC3-C (約70g)」と比較してみても、いかに本製品が軽量であるかが分かります。
ちなみに軽量無線マウスとして世界No.1の人気を誇る「GPRO X SUPERLIGHT」は約60g。こちらは穴あき構造ではないのですが.. さすがに売れているだけあって凄まじい軽さです。
ライティング・DPIインジケーター
『Xlite Wireless』のライティングは、底面センサーの下部に取り付けられたDPIインジケーター1箇所のみ。穴あき構造と相まって綺麗にライティングされます。LEDカラーは後述する専用ソフトウェアで自由に変更可能です。
ケーブル
付属ケーブルには非常に柔らかな素材のパラコードが使用されています。基本的にはマウス本体の充電、レシーバーの接続に使用するものですが、このまま有線で使用しても問題ないくらいに軽量かつ取り回しに優れたケーブルとなっています。
また、レシーバーアダプターの裏面には滑り止め用のラバーコーティングが施されており、机などに置いてもズレにくい仕様となっています。
専用ソフトウェア
Xlite Wirelessの専用ソフトウェアでは、キーバインド設定、DPI/ポーリングレート/LODの高さ/LEDカラー変更、マクロ設定などが可能です。
主要な変更項目は以下の通りです。
- DPI:50-20000
- ポーリングレート:125/250/500/1000Hz
- LOD:1mm/2mm
Xlite Wireless専用ソフトウェアDLページ:https://pulsargg.jp/pages/download-xlite-wireless
DPI切り替え:左クリック+前サイドボタン+ホイールボタンを長押し
LEDオン/オフ:右クリック+後ろサイドボタン+ホイールボタンを長押し
「Xlite Wireless」の総評・ターゲットについて
『Xlite Wireless』の総評としては、非常にコストパフォーマンスに優れた隠れ名作マウスといった印象です。他のレビューでも散々言われていることですが、いい意味で価格に見合わないビルドクオリティと性能を兼ねています。1万円を切る価格でこれだけ軽量かつ無線のエルゴノミクスマウスは本製品に限られるでしょう。
「ZOWIE ECシリーズ」や「Logicool G703h」といった、いわゆる”IE3.0クローン”の左右非対称型マウスを使用している方は、形状だけ考えれば違和感なく移行できると思います。ただし、非常に軽量なことや、穴あき構造によるグリップ感の変化には注意する必要があります。
どのパーツも高水準の域に達しており、”ユーザー目線に立って細部まで丁寧に作り込まれたマウス”といった印象を受けました。特に欠点らしい欠点もなく、非常に完成度の高いゲーミングマウスだと思います。
IE3.0/EC2クローンで1万円以下、軽量マウスとなると、有線・無線を含めても現状は『Xlite Wireless』のみ。ゲーミングマウス沼にハマっている方、手頃な価格で高性能なワイヤレスゲーミングマウスが欲しい方はぜひ本製品の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
- 万人にフィットするIE3.0/EC2クローンマウス
- 無線マウスとしては最軽量クラスの58g
- 無駄な装飾がなく、洗練されたデザイン
- カラーバリエーションが豊富(ブラック/ホワイト/レッド)
- 高耐久、高水準のビルドクオリティ
- 標準ソールが比較的優秀
- 高品質ながら低価格
- ホイールスクロールが非常に静か
- 柔らかなパラコードケーブルが付属、万が一の有線でも問題なく使用可
- PixArt社の最新フラグシップセンサー「PixArt PAW3370」を搭載
- スイッチには最大8000万クリック耐久の「Kailh GM 8.0」を採用
- 安心の2年保証、製品に満足できなかった場合は30日以内であれば返品可能
- Amazonで非常に好評(星4.6/5)
- マット加工&穴あき構造のため、やや滑りやすい(グリップテープで解決可能)
- メインボタンのクリック感がやや硬め(そこまで気になるほどではない)
- バッテリー持ちが若干悪いとのレビューあり
「Pulsar Gaming Gears」とは
Pulsar Gaming Gearsは、eスポーツ大国韓国で2020年に新たに設立されたeスポーツギアブランド。「ハイテク製品をより良いコストパフォーマンスで消費者に提供すること」をブランドコンセプトに、高品質かつコストパフォーマンスに優れたゲーミングデバイスを2021年より次々と発売しています。
現時点ではマウス/マウスパッド/キーボードといったジャンルに限られていますが、ヘッドセットやスピーカー、ディスプレイなど、eスポーツゲーマーに必要なすべての製品を順次提供する予定としています。
Web:https://pulsargg.jp/
Twitter:https://twitter.com/pulsarjapan
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コメント
コメント一覧 (1件)
穴埋めpulsarが出るらしいけど ホワイトで出るのかが気になる。
出ないならこれ買う気だけど……