来シーズンからのAmericasリーグ入りが決定している「Sentinels」の新ヘッドコーチ、SyykoNT氏がWyatt River氏のインタビューに応じ、新ロスター決定の経緯・今シーズンのXSETについてなどの質問に答えました。非常に長いインタビューとなっているため、本稿では新チームに関する部分の要約のみを行います。同氏がコーチを務めていた2022シーズンのXSETについても触れられていますので、詳細については動画の視聴をお勧めします。
なお、現在のSentinelsのロスターは以下のようになっています。
SyykoNT:Tyson※に関して言えば、ヘッドショットの精度やスナイパーの運用などにおいて、彼の非常に素晴らしい反応速度など、技術的な才能があることは過去に証明されています。中級から上級程度のプレイヤーをトップティアのエイマーにするのはとても難しい。一方で十分な技術を持ちながら他の部分が欠けている、たとえばコミュニケーションや、成功や参加への意欲の問題などがある場合は、コーチングによる改善が可能です。
※TenZ選手の本名
だからTysonにはその火力を活かし、毎日ベストを尽くしてチームのために最大限の力を発揮したいと思ってもらう必要があります。そのうえで個人としてもチームとしても毎日一緒に / 一生懸命に働いてくれるコーチに囲まれれば、彼を元の状態に戻すことができるかもしれないし、Sentinelsの元々のロスターで見せたものよりもさらによくできるかもしれないと考えました。そのための第一段階として、彼に電話をかけました。そしてSentinelsのメンバー、Shroud・ShahZaM、そのほかのメンバーとも連絡を取りました。
昔のロスターがどのようなもので、どんな問題があったかを知るために、みんなの意見を聞きました。私の最大の関心はTysonでした。確かに、モチベーションの欠如のようなものがあったように思います。そこで、もし彼がこの新しいシステムに参加し、私たちがやりたいこと、つまり一生懸命努力して勝利しトロフィーを持ち帰ることに納得して、それを望むのであればチャンスを与えたいということを伝えました。
そうして、私たちは電話で連絡を取りました。彼が最初に言ったことのうち一つはこうです。「一生懸命努力したくないし、競争もしたくない。ただストリーマーになりたいだけだと人々に思われていることを知っています。そして、それは間違いであることを知ってほしいのです。私は勝ちたいし、競争したいんです。」そして彼は、「前のロースターのやり方やシステム、雰囲気にはあまり満足していませんが、もし成功を望む人たちに囲まれているなら、私は仕事に打ち込み、あなたが必要とする選手になります。」と言いました。
私はこの会話から彼の言ったことが本心であると確信し、またコーチである私やkaplan、未発表のアシスタントコーチ※の能力によって、彼を導き / 育てることができると自信を持ちました。彼の技術的なレベルに匹敵する選手は他にいないと思います。
※インタビュー公開後、元XSETのDrewSpark氏と発表
彼は既にチームに所属していて、移籍金が必要ではありません。彼は必要なものを持っている。そして私は彼を、私が必要とする存在にすることができますし、うまくいくと思っています。
Wyatt River:なるほど、私にとってはとても理にかなっています。
Wyatt River:少なくとも私が見た限りでは、最も批判や疑念を向けられているのはdephhをチームに連れてきたことだと思います。そしてそれはある程度、見当違いの所から来ていると思います。多くの人が個人のパフォーマンスに過剰にこだわっているからです。しかし、XSETにおいてdephhは攻撃時のみIGLを務めていて、守りの際はAYRINがIGLをしていたということについて、あなたはdephhを擁護する立場にあると思います。その批判に対してどのように答えますか?
SyykoNT:ええ、私もそれがフェアだと思います。しかし私は防衛時のIGLのためにAYRINを連れてきたのではなく、もともとチームに所属していたのです。彼はクロスファイアにおいてコール役を経験していました。(中略) XSETがdephhを獲得した時、彼は両方のサイドでIGLをすることが可能でしたが、ある種の実験として私たちの持っているすべてのピースを活用しようと思ったんです。
Rory※1がサイドアンカーとしてもう少し個で動けるように、スモーク役を任せたり、本当にいろいろな選択肢を試しました。Roryの防衛時のコールが悪かったわけではありません。私たちの持つ全ての要素を用いて、最大限の努力をしただけです。RoryもJordan※2も、どちらのサイドでもコールできる素晴らしいIGLですし、Jordanの所属するGlobal Esportsのロスターがどのように戦うのか、本当に楽しみにしています。IGLの能力を活かして、Pacificリーグを席巻するだけのポテンシャルを持っていると思っています。
※1 dephh選手の本名
※2 AYRIN選手の本名
SyykoNT:ですから、私はRoryの両サイドでIGLをする能力に何の懸念もありません。しかし、あなたが指摘するように人々の間ではIGLの理想はより高い数値を残すことだという誤解があることは承知しています。例えば今年のStage1では、Version1のZanderが高いACSを叩き出しているから史上最高のIGLだと言われましたが、必ずしもそういうことではないですよね?
ゲーム内でチームを率いる能力、情報を得る能力、チェス盤の駒を細かく管理する能力などは、統計で数値化できない重要な資質です。個々のチームがどのように指揮されているかは、あまり知られていません。なぜなら、試合中のコミュニケーションに関する動画が公開されることは、私たちの競争原理に反しているからです。
ですからコーチとして、対戦するチームのIGLがチームにどのような影響を与えているか判断することは難しいです。特に一般の視聴者にとっては、IGLが何をしているのか、クロスヘアの動き以外にもどれだけの努力が必要なのか、イメージすることは難しいのではないでしょうか。
Wyatt River:ええ、その通りです。そしてそれが、あなたとdephhのデュオを維持することのポジティブな側面の1つだと思います。もしあなたがそう感じているなら教えてほしいのですが、二人とも落ち着いた雰囲気がありますよね。特に若い人が多いシーンだからというわけではなく、二人ともとても穏やかです。(中略)
SyykoNT:そうですね。dephhがXSETのトライアルを受けているとき、私たちは性格的にもリーダーシップの取り方にも、お互いによく補い合っていることに気づいたんです。私が活かせるのはゲーム外のリーダーシップです。私はとても実践的なリーダーであって、隅っこに座って「おいお前ら、俺が毎日やってるように作戦を実行しろ」というようなコーチではありません。むしろ「おいお前ら、30秒の遅刻を歓迎するぞ」というような感じでした。今日はこうしよう、これがゲームプランだ。ここが集合場所で、時間通りに行動することを確認するというように、とても実務的でした。
Roryは私と同様に実務的で、自信に満ちていて、穏やかでした。それはゲーム内でも同様で、リーダーシップの取り方、物事の進め方、動き方など、あなたが言っているように私たちはとてもよく噛み合っています。練習環境や方法、チーム編成の進め方、栄光のもたらし方など、ゲーム内外でも本当に深い戦略を持っているんです。
全くの最初からやり直すのではなく、コーチとIGLの信頼関係の基盤を再構築し、練習方法を確立し、全く新しい戦略を作り出すのです。私たちはその多くを引き継ぐことができます。だからといって、これから為すことがすべて優れているわけではありません。ただ、他のチームが一から始めることを考えれば、私たちは少しばかり先手を打つことができます。
Wyatt River:なるほど、そうですね。とても理にかなっているように思います。私が単に、dephhがコミュニティやアナリストから過小評価されているのだと思います。
SyykoNT:まさにその通りです。あなたが言ったように、個々人のスタッツに焦点を当てすぎです。チームの安定感を見れば、リーダーとしてやっていることがゲーム内外で機能していることが分かると思います。そして、Roryの影響とゲーム内での安定感はかなり軽視されています。
私たち (XSET) は素晴らしいチームです。私たちには素晴らしい選手たちがいて、Jordanを含む全ての選手の称賛を失わせたくありません。dephhはIGLとして驚異的な仕事をして、ゲーム外でもキャプテンとして、リーダーとして活躍しています。しかし、全てが完璧に調和したことで、私たちは素晴らしいチームになりました。ただ、XSETとして成し遂げた全てのことについて、RoryとJordanの功績が十分に認められているとは考えていません。
