インタビュー

FNC Boaster「多くの選手は、ある程度結果を出すと満足してしまうかもしれない。でも僕はもう一度大きな勝利を掴み、仲間たちの“喜びの涙”が見たい」

2025.10.05 11 COMMENTS
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「VALORANT Champions Paris」日本時間10月4日に行われたプレイオフにて、FNATICがDRXに3-1で勝利し、グランドファイナル進出を決めました。試合後、FNATICのメンバーが記者会見で試合を振り返りました。

目次

FNATIC(FNC vs PRX)試合後記者会見

── Boaster選手へ。ちょっと真面目じゃない質問になりますが、最後のマップ、途中でダンスのレパートリーが尽きたように見えました。明日はグランドファイナルですが、新しいダンスは仕込んでますか?

Boaster:ウォークアウトのこと? それともステージ上?

── ステージ上で、チームのナイスプレーに合わせて踊るダンスです。

Boaster:ああ、あれね。正直、何やってるか自分でも分からなかったんです(笑)。床でブレイクダンスっぽいことして、「勢いでやるか」って感じだったんです。でも明日も多分踊ると思います。だって俺が踊ってる時は勝ってるからね。そういう“勝ち筋”を今も仕込んでるのかも。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

── Chronicle選手へ。前回のグランドファイナルから約4年。選手としてどう変わりましたか? また明日、決勝のステージに立つ心境や、勝利の原動力を教えてください。

Chronicle:少し補足すると、最後のグランドファイナルは2021年ではなく、Championsのときです。この4年間で本当に多くのことが変わりました。以前のチーム(Gambit)では、役割も責任もまったく違っていましたし、今はチームの岩のような存在……いや、ターミネーターかもしれません(笑)。冗談ですが、それくらい立場が変わったということです。

この4年でゲーム自体も大きく変化しました。パッチノートを見るだけでも、それはすぐに分かると思います。同世代の選手たちがピークを過ぎていく中で、今もなお高いレベルを維持できているのは、自分でも誇りに思っています。

今年は自分にとって本当に特別な一年でした。国際大会の決勝に続けて進出できて、パフォーマンスも良かったと思います。ただ、明日の試合については、個人の出来よりもチームとしてどう戦うかのほうが大事だと思っています。何が起きてもいいように、期待しすぎず、でも全力を出し切る。そんな気持ちでグランドファイナルに臨みたいです。

── ステージで立ち上がって煽ってましたよね。明日も見られますか?

Chronicle:あれは多分最後のスタンディングだったかもしれません。ヴァイパーを使う時は、ラウンド前にマップの端から端まで走ってラインナップを投げたりと、かなり忙しいんです。あの時は約10秒くらい観客を煽っていましたが、正直かなりリスキーでした(笑)。でも勝てたので結果オーライですね。

しかもあのラウンドは出だしが悪く、相手にシリーズの流れを取り戻されかねない重要なボーナスラウンドでした。だからこそ、あの一勝は本当に大きかったと思います。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

── Crashies選手へ。昨日は古巣NRGと対戦して、今日また決勝に戻ってきました。昨日は「少し緊張していた」と言ってましたが、明日の再戦への向き合い方は?

Crashies:昨日感じていたのは、緊張というより“焦り”に近かったかもしれません。元チームと対戦できるのが楽しみすぎて、気持ちが入りすぎてしまいました。でも、そういう経験を昨日のうちにできて本当によかったと思います。多くのことを学べました。明日はもう余計な感情は入れず、仕事として挑みます。自分たちのプレーに集中して、結果は後からついてくるはずです。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

── Crashies選手へ。明日は元チームメイトのs0m選手と優勝トロフィーを争います。それは追加のモチベーションになりますか?

Crashies:特に気持ちは変わりません。彼は良い友人ですが、今は立ちはだかる一つのチームにすぎません。僕たちは自分たちのプレーに集中するだけです。何が起きても、それはそれです。

── Boaster選手へ。NRG戦後の煽りはまるでプロレスのようでしたが、何かインスピレーションがあったのでしょうか?プロレスを参考にしたのですか?

Boaster:ただの思いつきです。「もし勝ったら、TikTokでめっちゃバズりそうだな」って思ったんです。あのスピーチからの流れも含めてね。

昨夜ベッドで寝る前に、いつも聴いているオーディオブックを流してたんです。子どもの頃から『ファンタスティック Mr. フォックス』を聴くと眠れるんですよ。だから今でも寝付きが悪い時はそれを聴くんです。だいたい20分以内に寝落ちします。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

でも昨日は試合のアドレナリンがまだ残っていて全然眠れなくて。聴きながらふと思ったんです。「もし明日インタビューがあったら、“NRGを倒しに行く”って言ってみようかな」って。「これ、ちょっとオーラあるかも?」とか、「いや、ちょっと恥ずかしいな」とか考えながら(笑)。

それで試合後のあの瞬間、「行くべきか、やめとくか」って迷ったんですけど、最終的に「いや、やっちゃえ。こんな機会一度しかない」って。もしかしたらこれが自分にとって最後のグランドファイナルになるかもしれないし、今を全力で楽しもうと思ったんです。結果として、あの瞬間は本当に最高にキマってたと思います。

── 決勝に到達した今の感情は、思い描いていたものに近いですか?

Boaster:うん、まさにそうです。これまでChampionsで負けたときは、いつも観客がいるなら最後まで残って、優勝カップが掲げられる瞬間を見届けてきました。イスタンブールでも、ロサンゼルスでも、韓国でも。そしてそのたびに「次こそは自分があのトロフィーを掲げる」と誓って、ハングリー精神を保ってきたんです。

多くの選手は、ある程度結果を出すと満足してしまうかもしれません。でも僕は、チームのみんなともう一度大きな勝利を掴みたかった。今年は本当に素晴らしい年でした。何度も決勝に進めたし、でもまだ国際大会のトロフィーは獲れていません。

とはいえ、結局のところ大事なのは「楽しむこと」だと改めて感じました。今日の試合でも、みんなで踊って、笑って、楽しんで、そうやってプレッシャーやストレスから解放されることで、良いパフォーマンスにつながるんです。

明日勝てたら、それは最高です。でももし負けても、もう何度も心が折れるような敗北を経験してきました。以前も話しましたが、トロントで流した涙は悲しみの涙でした。だから次に流す涙は、喜びの涙にしたい。僕はただ、仲間たちの笑顔、喜びの涙が見たいんです。とにかく明日は楽しみたいと思います。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

Alfajer:ちょっと悲しい話をしますね。僕の視点から見たら少し切ない話なのですが。ある大会で僕たちは負けたんです。
そのとき、Jake(Boaster)がトロフィーを見つめる映像に、トルコのロマンチックで感傷的な音楽をつけた編集動画を見たんですよ。Jakeが優勝カップを見上げる姿と音楽が重なってて、泣いてしまいました。

それで、彼にInstagramでDMを送りました。「Bro、信じてくれ。俺たちは一緒にもっと多くのトロフィーを獲る」って。
本当に泣きながらメッセージを打ってたんです。あれから時間が経って、今こそその時が来た。トロントでは悲しみの涙を流しましたが、チーム全員で「次に泣くときは喜びの涙にしよう」って誓いました。だから、明日は勝ちたい。今度こそ“幸せの涙”を流したいと思っています。

── 1マップ目と2マップ目の間、どんな声かけをしましたか?

Milan:正確には覚えていませんが、多分インタビューで言ったのと同じことを伝えました。「サンセットは想定通り。気にせず切り替えよう」と。選手たちはプレー自体は悪くなかったし、良いシーンもたくさんありました。BO5というのは、そういう試合ですからね。

みんなその言葉に共感して、そこから勢いを掴みました。動きが格段に良くなり、このゲームはやはり勢いが全てだと改めて感じました。昨日のNRG戦では相手に流れを持っていかれましたが、今日はカロードでその勢いを完全に奪い返しました。

選手たちは勢いを掴んだだけでなく、それを離さずに、持てるすべてのツールを使って試合を自分たちのペースに持ち込んだ。本当に見事な出来だったと思います。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

── ダンスはパフォーマンスやモチベに影響しますか? K-POPに影響を受けてますか?

Boaster:K-POPじゃないよ。いわゆる“お父さんダンス”みたいな感じ(笑)。パーティーでお父さんがランダムに踊ってる、あのノリです。

でも、実際に踊るとエネルギーが回るんです。IGLは常に考えっぱなしで、頭ばかり使ってるから疲れるのです。だから少し動いて血を巡らせることで、集中力も維持できています。

子どもの頃からダンスが好きだったし、今もそれが助けになってると思います。僕が踊ってる限りチームは勝ち続けます。そういう意味では、今年は踊る年だったと思います。

── 昨日の敗戦後、どうやってチームを立て直しましたか?

Boaster:選手によってアプローチは違いますが、個別に話すこともあれば、コーチ陣やパフォーマンスコーチと一緒に全体で振り返ることもあります。僕たちは切り替えが早いチームなんです。起きたことを正直に話し合い、必要な部分はすぐに修正しています。

そういう柔軟さと対応力が、他のチームとの違いだと思います。ステージに立っているのは5人だけど、実際には裏方の4人がいて、彼らの支えがあってこそ成り立っています。全員が1%の積み重ねでチームを支えているんです。

── 家族など個人的な理由でトロフィーを掲げたい選手はいますか?

Alfajer:父です。会場には来ていませんが、家で試合を見てくれています。しばらく会えていないので、このトロフィーを勝ち取って、抱きしめに行きたいです。

Boaster:僕は両親が観客席にいます。子どもの頃はミュージカルをやっていて、母はいつも「あなたはステージの上にいるのが一番似合う」と言ってくれていました。僕は「じゃあ違うステージで踊るよ」って返したんです(笑)。今、観客席で楽しそうに跳ねている両親を見ると、本当に嬉しい気持ちになります。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

── ステージでいつも観客を楽しませていますが、そのモチベーションはどこから来ているのでしょうか?

Boaster:自分がまだ観客として試合を見ていた頃を思い出すんです。「もし自分が選手になったら、ちょっと“オーラ”がある存在になりたい。でも自分らしく、好きなことをしていたい」と思っていました。

だから今も、ステージでのああいう動きは楽しむためにやっているだけなんです。それに、そういう姿を見せることでチームメイトの殻を破るきっかけにもなる。僕のチームにいた選手たちはみんな、最初は少し内気だったけど、次第に明るくなって、自分を表現できるようになっていきました。

例えばCrashies。NRG時代の彼はいつもしかめっ面で、笑うことがほとんどありませんでした。でも今の彼を見てください。晴れやかに笑顔が輝いています(笑)

Crashies:ありがとう、Jake(笑)

── この前のPRX戦では試合を欠場してチームスタッフ側の気持ちを味わっていたと思いますが、実際どれほどストレスがあるか実感されましたか?

Alfajer:本当にストレスに感じました。試合中も少しツイートしていたのですが、見ているだけというのは本当に緊張しました。ステージでプレイしているときのストレスが20%くらいだとしたら、外から見ているときは90%くらいありました。
もし自分がFnaticファンだったら、1年で白髪になってしまうと思います(笑)。ファンの皆さん、本当に申し訳ありません。明日は少しでも安心して見ていられるような試合にしたいです。

── ルーキーとして、国際大会で3度目の決勝に臨む今の気持ちは?

Kaajak:本当に最高の気分です。でも、2位には意味がありません。明日こそ勝って、初めてのタイトルを手にしたいと思います。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

── Boaster選手へ。中国でもあなたは「Great B」と呼ばれ、人気があります。6年前、この同じ会場でDoinb選手が『LoL』の世界王者になりました。彼や中国のファンにメッセージをお願いします。

Boaster:(中国語で)「僕たちもチャンピオンになりたいです」……ちょっと間違ってたらごめんなさい(笑)。
中国のファンのみんな、本当にありがとう。去年のカンカン(ZmjjKK)の優勝は心から嬉しかったし、EUの“魂”を彼から受け継いだような気持ちになりました。今度は自分たちの番だと信じています。どんな結果になっても、とにかく楽しんでプレーしたいと思っています。

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