ZETA DIVISIONに所属するTenTen選手が、韓国発のVALORANTトーク番組を配信するYouTubeチャンネル「VALTOUR」に出演しました。番組では、韓国でVALORANTキャスターとして活動するBINBON氏との対談形式でインタビューが行われ、VALORANTを始めた経緯、兄であるMeteor選手との関係、T1アカデミーやZETA DIVISION加入の裏話などが赤裸々に語られています。
以下、同動画の内容を日本語訳で掲載しています。
── 皆さんこんにちは、VALTOURトークのBINBONです。本日はご覧の写真のとおり、特別ゲストをお招きしました。写真だけ見ると「Meteor選手かな?」と思われるかもしれませんが違います! ZETA DIVISIONのTenTen(キム・テヨン)選手です。ようこそお越しくださいました。
TenTen:
こんにちは。ZETA DIVISIONでデュエリストを担当しているTenTen、キム・テヨンと申します。よろしくお願いします。
── 「兄弟なの?顔が似てるよね?」とよく話題になるんですが、選手写真を見たときは実はあまり似てないと思ってたんですよ。でもこうして見るとそっくりですね。
TenTen:
はい(笑)
── ちなみに今回のインタビューは「実現できるかな?」と半信半疑でオファーしました。初対面ですし、連絡先も兄のMeteor選手経由でZETA DIVISIONのマネージャーさんから教えてもらって――改めて出演を快く受けてくださったTenTen選手、そしてZETA DIVISIONの関係者の皆さん、本当にありがとうございます(日本語で)。これで合っていますか?(笑)
TenTen:
はい、合ってます(笑)
── 実はTenTen選手のことを詳しく知らないファンも多いと思うんです。子どもの頃どう過ごしたか、最初からプロ志望だったのか、どんなチーム遍歴なのか…。PACIFICを見始めた人や「ZETAに突然現れたTenって誰?」という人もいると思うので、この機会にじっくり伺えればと思います。まず年齢は…2003年生まれで合ってますか?
TenTen:
はい、03年生まれの22歳です。
── 私たちの世代だと、プロゲーマーは親が止める職業トップランクだったんですよ。TenTen選手の世代ではまた違うのかもしれないですね。ご両親は「プロゲーマーになる」と言ったとき反対はありませんでしたか?
テンテン
子どもの頃から、兄さんや僕にも、やりたいことは基本やらせてくれる親でした。二人ともプロになると言ったときも「いいよ、何か手伝えることある?」って感じで、PCや機材も揃えてくれて、すごく応援してもらいました。
── 今きっと誇らしいでしょうね。兄は成績を残してるプロゲーマー、弟もTier2から昇格して今はPACIFICで戦っている。最高ですね。ところでゲームを始めたのは何歳からですか?
TenTen:
言っていいのかな…(笑)。たぶん5歳くらい? 父のひざの上に座って『サドンアタック』をやってました。

── お父さんはサドンアタックをプレーされていたんですね!
TenTen:
はい(笑)。兄と交代で、父の膝に座って「兄の番、僕の番」って順番待ちしながら遊んでいました。
── 普通そうやって子どもにゲームさせると、お母さんが「ちょっと!」って怒ったりもしそうだけど、そういうのはなく、家族みんながゲームに理解があったんですね。
TenTen:
そうですね。
── じゃあ5歳でゲームを始めて、その次に覚えてることはありますか?
TenTen:
小さい頃から兄と僕それぞれ自分用のPCがあったので、ずっと二人で色々なゲームを遊んでいました。中学くらいからは『リーグ・オブ・レジェンド』にドハマりし、兄と一緒にLoLプロを目指して準備してました。同時にFPS歴も長かったので、『レインボーシックス シージ』『オーバーウォッチ』とかも継続的にプレーしていました。
そんな中で突然『VALORANT』が出るって聞いて、兄に「ライアットの新作だよ。これやってみようと」と言いましたが、
兄は「俺はLoLをしなきゃいけない。絶対やらない」と断固拒否している感じでした(笑)。僕もその年頃はかなり頑固だったので、「兄さん、絶対一緒にやらなきゃだめだよ」と説得して、結局一緒にVALORANTをβテストからプレーすることになりました。そしたら僕のほうが先に飽きてしまったのですが、逆に兄がめちゃくちゃハマったという(笑)。
── そこから本格的に進路で悩む時期、高2・高3で折れる人も多いけど、どうでした?
TenTen:
高1のときに「学校通いながらゲームはムリ。全部ゲームに振りたい」と思って退学したいと言いました。ここで初めて母が本気で怒りましたね。「ゲームは許す。でも学校を辞めてまでやるのはダメ」と。最終的に「退学してすぐ検定(高卒認定)を受けるならOK」という条件で認めてもらい、退学→すぐ合格→バイトしながらゲーム、という流れでした。
── ご両親はやりたいことは応援するけど守るべきラインは守れ、という方針だったんですね。VALORANTで最初に入ったチームは?
TenTen:
最初はNORTHEPTIONです。兄が初めて日本チームに加入し、国内で優勝した後に、僕が入団しました。
── 今でこそ韓国選手が日本のChallengersリーグに多いけど、当時はほとんどいなかったですよね。最初はどうやってやり取りしたんですか?
TenTen:
兄が先に日本でプレーしていて、「ゲーム内で最低限コールできる日本語メモ」を作ってたんですよ。単語帳みたいなやつ。それを握りしめて日本サーバーで「まずはこの単語だけでも言おう!」ってやり始めました。そこから少しずつ覚えていきました。
── なるほど。その後の移籍は?
TenTen:
NORTHEPTIONで成績が良かったので、いくつかTier1チームからオファーが来ていました。
── どのチームから?
TenTen:
Rex Regum QeonとGlobal Esportsから来てました。でもその時に、ある出来事で僕が子どもっぽく感情的になってRRQの選手に失礼な発言をしてしまい、その話が流れてしまったんです。
── そのあともしばらく日本で活動して、次に移籍したのがT1 Academyですよね。NORTHEPTION → FAV gaming → T1 Academyという流れでしたが、T1にはなぜ加入することになったのでしょうか?
TenTen:
日本チームを2つ経験したので、韓国チームで母国語コミュニケーションなら自分がどこまで出せるのか試したくなりました。ただTier1の空き枠はほとんどなくて…。ちょうどそのタイミングでT1が再編成をしていて、僕から監督に直接「テストさせてください」と連絡しました。
監督から最初はコントローラーやセンチネルで試したいと言われたので、本当に猛練習しました。ところが「やっぱりエントリーで」と言われて、急遽エントリーでテストすることになりました(笑)。最初ちょっと波があると言われ落ちたんですが、1週間後にまた連絡が来て「センチネルでもう一回見ていい?」と。センチネルで再テストしたら、逆に細かいエイムが上がって良い評価をもらえました。もう少しで1軍…というところで、突然MeteorとBuZz選手が加入することに(笑)
── もしその移籍がなければ、TenTen選手がT1のセンチネルで入っていた可能性があったわけだ! 世界線がねじれたんですね(笑)
TenTen:
その時は少し兄が嫌いになりました(笑)。監督からは、本当に申し訳ないけどT1アカデミーでプレーできない?と言われました。
── T1としても「逃したくない選手だ」と判断したからこそアカデミーに置いたんですね。そこから、ある日突然ZETA DIVISION移籍のニュースが出ました。これはどういう経緯だったんですか?
スクリムの影響が大きいと思います。T1 AcademyとZETAはよくスクリムをしていました。当時Dep選手が手首を痛めていたので、ZETAの2軍の子たちを加えてスクリムをすることが多かったんです。そのたびに僕の調子が良くて――30キルとか。キャラクターのプールも被っていたので、それがきっかけで声をかけてもらえたんだと思います。

── いや驚きましたよ。ZETAといえば“純日本”のイメージが強く、再編成の雰囲気もなかった時期だったから。「え? 韓国選手?」って。でも実は以前から韓国人選手に声をかけてたって聞きました。
TenTen:
はい。iZu選手にもオファーがあったと聞いたし、兄にもオファーが来てたそうです。ずっと韓国人選手を視野に入れてはいたみたいです。
── なるほど、面白いですね。兄のMeteor選手の影響で日本語環境に慣れ、NORTHEPTION → FAV、監督に直DMしてT1テスト、兄に枠を“塞がれ”(冗談)アカデミー行き、スクリム無双でZETA加入…という流れ。いやドラマだなぁ。
さて、夢のPACIFICの舞台。デビューで2試合こなしましたが、どうでした?
TenTen:
本当にあっという間に終わりました。インパクトを残せた場面もあったと思うんですが、思ったより課題も多く見えて。「次チャンスが来たらもっと見せられる」という自信につながりました。
── 観てる側も「次が楽しみ」と思える内容でした。Stage 1は夢みたいにすぐ終わってしまったけど、今はStage 2に向けて走ってますよね。現メンバーはSugarZ3ro、Dep、Xdll、CLZ、そしてTenTen選手で5人。連携の方はどうでしょうか?
TenTen:
最初、みんな一度日本に戻ったり僕も韓国で休んだりしてから再集合したんですけど…本当にぐちゃぐちゃでした(笑)。Stage 1はほぼ2日で合わせて大会出たのに意外と良かったのに、再集合したら急にバラバラ。コールも少ない。「スクリムがあるから一応やるか」みたいな空気で。
見かねて僕が言いました。「不満とか全部言おう。喧嘩してもいいから出そう!俺たちは戦わないといけないんだ!」ってかなり声を張り上げました。そしたら最初黙ってたSugarZ3ro選手が「じゃあ俺はこういう不満がある」って切り出してくれて、みんな続いてわーっと。思った以上に不満が溜まってた(笑)。全部出して「OK、じゃあ解決しよう」と話し合ってからは、本当にどの相手でも勝てるくらい状態が良くなりました。

── さすがSugarZ3ro、ZETAの中心的存在ですね。その話し合いの前のスクリムの勝率はどれくらいだったんですか?
TenTen:
20~30%ほど?ほぼ毎日負けてました(笑)
── 今はどれくらいになったんですか?
TenTen:
80~90%ほどです。PACIFICのチーム相手でもほとんど勝ってます。
── うわぁ、Stage 2は期待しちゃいますね。
TenTen:
早く大会で試合がしたいです。
── ZETAは以前は“アイスクリームをゆっくり溶かして食べる”みたいな、じっくりスタイルのイメージでしたよね?今は全然違う感じですか?
TenTen:
はい。どのマップでも自信がありますし、コールの回り方がめちゃくちゃ良いです。
── じゃあここで、名前の由来も聞いておきましょう。「テンテン」ってどういう意味ですか?
TenTen:
NAVER WEBTOONのバスケ漫画『Big Man』に出てくる、背が低いけど“テンテン”っていう薬局で売ってる栄養ドリンクをよく飲むキャラがいるんです。そこから取りました。最初は兄メテオの名前をもじって「メテオ」系にしようかとも思ったんですけど、さすがに被りすぎるし…日本の人が呼びやすい名前がいいなと思って「テンテン」にしました。響き的にも日本向けをちょっと意識しましたね。
── 確かに、日本語のような感じがありますね。将来的にもし移籍できるなら、行きたいチームは?
TenTen:
正直、T1の1軍でもう一度挑戦したいです。ポジションは何でも構いません。
── 兄のMeteor選手と同じチームでやりたい気持ちはありますか?
TenTen:
あります。兄も「一緒にやれたらいいね」って言ってくれます。ただ「お前が来るころ俺は軍隊かも」ってよく冗談を言います(笑)
── ところで「MeteorとTenTen選手、どっちがゲームが上手い?」って質問が来てます。
TenTen:
兄は実績がたくさんありますけど…プレイ的には僕のほうが上手いんじゃないかと思ってます(笑)。
── 不満があればMeteor選手、ここに来て言ってください(笑)
TenTen:
スクリムでアイソのULTで1v1をすると、僕が全部勝つんですよ(笑)
── 「PACIFICで対戦してみたいチームはありますか?」という質問が来てます。
TenTen:
絶対T1です。叩き割りに行きます(笑)
── 同じグループですよね? 試合はいつ?
TenTen:
26日です。T1ホームグラウンドでやります。
── じゃあ皆さん、T1ホームに行く理由がまた一つ増えました。兄弟対決! 入場時のフィストバンプとか、何か仕込みましょうよ。
TenTen:
両親に“兄弟が同じ舞台に立っているところ”を見せたいので、兄とハグする約束をしました。
── ハグしながら弟はお母さんの写真、兄はお父さんの写真を掲げて…いいじゃない! 絶対親御さん泣くよ(笑)
TenTen:
実は両親はいつも夜中まで起きて配信で試合を観てくれるんですが、今回初めて現地に来るんです。少しサプライズを準備しようかなと思っています。
── 勝ったらステージインタビューで「お父さんお母さん愛してると」と言いましょう(笑)
TenTen:
そうですね(笑)
── じゃあ最後の質問。ライバル、そしてロールモデルは誰? VALORANT選手じゃなくてもOKです。
TenTen:
ライバルはJemkin選手です。僕のデビュー戦で当たって、すごく惜しく負けたんですよ。その後もスタッツが近くて1位2位争いが続いたりして、勝手に意識してます。本人から「ファンだよ」と言われたこともあって、2人でメイドカフェに行ったこともあります(笑)
── メイドカフェ!? Jemkinは喜んでた?
TenTen:
いや、嫌がってました(笑)
── Jemkinとこの前ご飯を食べたんだけど、2時間半ずっとVALORANTの話をしてましたよ。まさかメイドカフェでもVALOの話してた?(笑)
TenTen:
メイドカフェでもしてましたし、帰り道でも「VALORANTやろう、デュオやろう」って(笑)。
── 愛せずにいられないタイプだね(笑)。ロールモデルはいますか?
TenTen:
SentinelsのZekken選手です。外見もカッコいいし、プレースタイルが「すべてのエントリーが欲しがる要素」を全部持ってるデュエリストだと思います。
── つまり、TenTen選手の考える世界No.1エントリーはZekken、という評価ですか?
TenTen:
はい。あと、T1がブートキャンプしていたとき、僕らアカデミーの部屋の隣だったんですが、ランクでマッチして、その後Zekkenがわざわざ部屋に来て挨拶してくれたんです。僕とGangPinに。Twitterでも相互フォローして、それでますますファンになりました。
── ではそろそろ締めに入りましょう。今日はTenTen選手のスタート、幼少期、Jemkinとメイドカフェまで色々聞けました(笑)。今日こうして撮影してみてどうでした?
TenTen:
いつもYouTubeで見てたスタジオに来られて、背景とか全部新鮮ですし、BINBONさんを生で見るとちょっと芸能人に会った気分です(笑)。Tier1に上がってからライアットの撮影やVALTOURの撮影に呼んでもらえるようになって、「もっと頑張らなきゃ」「早くVALORANTやりたい!」というモチベーションになりました。
── では最後に、Stage 2を前にしたTenTen選手とZETAとしての抱負、そしてファンへのメッセージをお願いします。
TenTen:
Stage 1は準備期間が短くて、自分のパフォーマンスをちゃんと出し切れず悔しかったです。Stage 2はチームの雰囲気もとても良く、調整もうまくいっているので期待してもらって大丈夫です。それからT1ホームグラウンドでT1と当たる試合が僕にとって一番大事な日程です。僕を応援してくれているT1ファンも多いんですが、もしその試合で僕たちが勝ってしまっても、どうか嫌いにならないでください(笑)。よろしくお願いします。

── ありがとうございました。ここまでZETA DIVISIONのTenTen選手でした。Stage 2でのZETA、そしてTenTen選手へのご声援をよろしくお願いします。
TenTen:
ありがとうございました!