7月16日に行われたVCT 2025 Pacific Stage 2にて、Paper RexがT1に対し2-0で勝利を収めました。試合後の記者会見には、Paper Rexからd4v41選手とalecksコーチが出席し、試合を振り返りました。
以下、記者会見でのインタビュー内容を日本語訳で掲載しています。
── 本日のT1戦について、感想をお聞かせください。
d4v41:
そうですね、チームとしても個人的にも、この試合は絶対に勝たなければいけない試合だったと思っています。というのも、Championsの出場権をかけたポイントが他チームとかなり接戦になっていたので、ここで勝っておく必要がありました。なので、勝てて本当に良かったです。
試合は接戦でしたが、最後までしっかりとやり切れたのが嬉しいですね。これまで終盤の締めが課題だったので、今日はそれを乗り越えられたのが良かったと思います。
alecks:
T1が最初のマップで大きなカムバックを見せたのは、正直少し緊張しました。でも、今日はどうしても勝たなければいけない試合だと分かっていたし、色んな要素が重なって自分たちにとって不利な状況でした。そんな中でも、集中を切らさず良いパフォーマンスができたことは誇りに思います。
── 皆さん、勝利おめでとうございます。まずはMasters Torontoについて質問させてください。多くの人が、Paper Rexの優勝を心から喜んでいました。改めて、あの優勝の瞬間はどんな気持ちだったか、そして国際タイトルを獲ったあと、どんな新たな目標を立てたのか聞かせてください。
alecks:
私とd4v41にとって、特別な意味のある優勝でした。長く一緒にやってきた仲間ですし、昔からCSGOやCS1.6をやってきた東南アジアのプレイヤーにとって、こんな栄誉ある舞台で戦える機会自体が少なかったのです。だからこそ、実際に優勝できたことは不思議な感覚もありました。
あの瞬間は最高でしたが、個人的には「これまでの人生で達成できるとは思っていなかった目標を達成してしまった」という感覚があって、「じゃあ次は何を目指せばいいんだろう?」という気持ちになりました。だから最近は、本を読んで「人は大きな目標を達成した後に何をするのか」を学んでいます。
今は「旅路を楽しむこと」が大切だと感じています。これからもトロフィーをできるだけ多く獲得したいし、最後はChampionsトロフィーが目標です。
d4v41:
僕にとっても、人生の1ページを完成させたような感覚でした。長年の努力が実った感じです。でも、ここで満足してはいけないと思っています。もっと上を目指していきたいし、自分を高め続けなければなりません。なぜなら、他にもっと努力している人たちがたくさんいるからです。

── mindfreak選手が制限付きFAになったことが発表されました。Paper Rexにとって1つの時代が終わったように思います。彼について何かコメントをいただけますか?一緒にプレイした感想や、今後への想いなどあれば。
alecks:
彼がチームに入ったのがいつだったか正確には覚えてないですが、たしか2019年か2020年だったと思います。元々はスクリムで対戦していて「いい選手だな」と感じて、たまたまその時マレーシアにいたので話をして、そのままチームに加入しました。
見た目やキャラとは違って、実際はすごく温かい人で、チームのことを本当に大事にしてくれていました。表ではクールを装っているけど、本当はめちゃくちゃ努力家で、自分を犠牲にしてでもチームを支えてくれるような存在です。
彼は私たちのなかで最もメンタルが強く、周りが焦っている中でも冷静に支えてくれました。どこのチームに行っても、経験豊富で貴重な選手になると思います。英語も話せるし、どの国でも問題ないはずです。本当に誇りに思える仲間ですし、寂しくなります。

d4v41:
僕にとってもただのチームメイトではなく、家族のような存在です。一緒にいろんなことを乗り越えてきました。出身や背景が違っても、いろんなことを一緒に達成できたことは一生の宝物です。次のチームでも彼がちゃんと大事にされて、輝いてくれることを願っています。これからも彼を応援し続けます。
── mindfreak選手が制限付きFAになったとのことですが、現時点で6人目の選手の獲得を検討しているのでしょうか?
alecks:
今のところ新しい選手を探しているわけではありません。正直、選手の入れ替えはとても難しいと感じているからです。チームによってはうまくやってるところもありますが、私の場合はチーム内の相性を非常に重視しています。
たとえmindfreakが中国や東南アジアの大会で代わりに出た時も、最初は馴染むまでに時間がかかりました。それだけ長く一緒にやってきた彼でもそうなんです。だから今後もし誰かが体調を崩したりしても、即座に対応できるようにする必要はありますが、簡単ではないですね。
── mindfreak選手についてもう一つ質問させてください。チーム内での話し合いはどんな感じだったのでしょうか?また、コーチとしてチームに残るという選択肢はなかったのですか?
alecks:
そういった決定には、選手たちを巻き込みたくないんです。仮に判断を誤っても、それは私の責任です。だから、基本的に本人とだけ話しました。PatMenを入れたい理由と、6人目としてどう考えているかを伝えました。
選手たちには「今日Patが加入するよ、色々試す必要がある」と伝えただけです。チームとして壁にぶつかっていたし、それはmindfreakが悪いとかではなく、新しい道を探す必要があったからです。
彼が今コーチをしていないのは、彼自身が「まだ競技を続けたい」という気持ちが強いからです。コーチ業をしていると自分の練習ができなくなってしまう。それだと他のチームと交渉したり、自分を売り込んだりする時間も取れなくなる。それなら、彼は選手としてもう一度やりたいという意思を優先したいと考えたわけです。

── 昨年、Pacificのコーチたちは“国際トロフィーを取る”という共通の目標を持っていたと聞きました。1年後の現在、Pacific地域は3つのMastersトロフィーを獲得し、最強地域とされています。過去2年で地域はどのように進化し、競争力を維持できた理由は何だと思いますか?
alecks:
1つのチームが成功すると、それが地域全体に火をつけるんです。皆がそれに追いつこうと努力する。Gen.Gにスクリムを申し込めばいつでもできるし、もしそのGen.Gに勝てたら、自分たちも国際大会で勝てる可能性があると自信になります。
ZETA DIVISIONやDRX、私たちのように2022年から積み重ねてきたチームがあったからこそ、Gen.GやT1、そして最終的に私たちがトロフィーを取る土壌ができました。まさに「肩車の上に立つ」ようなもので、互いの努力が力になっていると思います。それに、今は中国のチームともスクリムできるようになって、EDGとも練習できるのは大きな利点です。

── 今日のT1との第1マップがOTになった件についてどう思いますか?
alecks:
正直言えば、ヘイヴンはもっと早く終わらせるべきでした。でも、ずっとBANしてるからあまり準備できておらず、アタッカー側のプランがうまくまとまっていなかったと思います。
ロータスについても、ピストルラウンドを両方落とすことが多くて、そこから毎回必死に巻き返してる感じでした。ただ、それでも最後は締め切れているので、勝利の癖のようなものがついてきたのかなと思っています。これが続くことを願っています。