インタビュー

FNC Boaster「1位シードは呪いみたいなもの。ステージでの試合経験を積むのが一番大事だが、自分たちはそれがなかった」

2025.06.16 28 COMMENTS
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6月15日、VALORANT世界大会「VCT 2025 Masters Toronto」のプレイオフ初戦で、FNATICがGen.G Esportsに1-2で敗れ、ローワーブラケットへと回ることになりました。

本稿では、試合後に行われた記者会見でのインタビュー内容を掲載。FNATICの選手陣とヘッドコーチのMilan氏が試合を振り返りました。

テックポーズについて

― VCT EMEAのテックポーズは、試合を立て直すのに役立ちましたか?

Chronicle:
いいえ。1マップ目でテックポーズがあったんですが、かなり深刻な問題で止まりました。ただ、詳細は言いませんが、重要ではないので…。でも、あのテックポーズとその原因になった問題がなければ、多分あのマップは取れていたと思っています。

Boaster:
僕は特に気にしていませんでした。クールダウンする時間が必要だったし、ステージがめちゃくちゃ暑かったので。

Milan
テックポーズ自体には結果への直接的な影響はないと思います。ただ、現場のスタッフもできる限り早く解決しようとしてくれているのは分かってますし、みんな同じ状況ですから。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

スプリットの戦術とサンセットでの反省について

ー スプリットでは、 ラウンド終盤まで引いてから一気に攻める形がすごく機能していましたが、3マップ目では同じ形があまり刺さりませんでした。Gen.G相手にうまくいった点と、サンセットでの課題は何でしたか?

Boaster:
Bサイトを割って攻めるときに結構苦戦してました。裏を取る動きとかがうまくいかなくて。正直、もう一度見直さないと分からない部分もあります。試合が本当にあっという間だったので。ただ、どこに誰がいるのか探りながら進める感じで、まだあのマップの経験値が高くないのも影響してたと思います。でも良い勉強になったので、次に活かしたいです。

kaajakへの質問

― kaajak選手、試合中に感情を前面に出してファーストブラッドを量産してましたが、残りの大会でもその自信はありますか?

kaajak
負けても自信は変わりません。これからの試合では今日よりもっと良いパフォーマンスを見せたいです。

t3xtureへの対応

ー 2マップ目でGen.Gのt3xture選手が活躍してましたが、12-7あたりから逆転しました。特別な対策はありましたか?

Boaster:
いいえ、特に何かを変えたわけではなく、どこにいるかだけ絞って倒すだけでした。スプリットなら彼のポジションはだいたい決まってるので、場所を特定して対応しました。攻めでも流れを掴んで、みんなのエイムが乗ってきたのが大きいです。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

EMEAの1位シード全敗について

― 今回のMastersで1位シードが初戦で全敗しました。大きなメタの変化が原因と言われていますが、どう思いますか?

Boaster:
おそらく原因は、2週間ずっとホテルの部屋にこもってスクリムばかりしてたことだと思います。一方、スイスステージから出場しているチームはステージで試合を重ねてて、それが一番大きな経験値になり、プレイオフに比べれば比較的倒しやすいチームを相手に試合感をしっかり積んでいるわけです。そして、自分たちは初戦から調子のいいGen.Gと当たりました。正直、ヘイヴンは勝てるチャンスもあったので、悔しかったです。

でも、こういう大会って本当に難しいですし、1位シードって逆に呪いみたいなものだと考えています。リーグにトロフィーを持ち帰りたいならグループステージを飛ばさないといけないけど、あそこを飛ばすとステージ慣れできるチャンスを失ってしまうのです。今日なんてステージがまるでサウナみたいで、本当に汗だくでした。背中が椅子に張り付くし、最悪でした(笑)。

Alfajer選手の誕生日について

― 数日前にトロントで誕生日を祝っていましたが、どうでしたか?

Alfajer:
あの日はファンミーティングもあって、本当にたくさんの人が「おめでとう」と言ってくれて、人生で初めての経験でした。すごく感情的になりました。「ファンがいる」っていうのは言葉にすると不思議ですけど、自分を、そしてチームを愛してくれている人がいるんだって感じて、本当に特別な日になりました。生涯で初めての体験でした。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

EMEA地域のスケジュール問題について

― EMEAチームがスイスステージを突破できなかったのは、スケジュールの影響でしょうか?

Milan:
間違いなく最後のリーグ終了だったことが響いてます。Team Liquid以外は新エージェントのテホをあまり試してませんでしたし。あと、単純に休む時間がなくて、ずっと詰め詰めのスケジュールで来たのも大きいです。Jake(Boaster)も言ってましたが、ここに来てからも毎日ぶっ通しですから。疲れが溜まってました。他のEMEAチームも同じだと思います。

BoasterとCrashiesの“愛の物語”について

― Boasterとcrashiesの“ラブストーリー”がファンに人気です。もし二人が『タイタニック』のジャックとローズなら、どっちがジャックでどっちがローズですか?ドアに乗るのはどっちですか?

crashies:
俺は絶対ドアを取るね(笑)

Boaster:
crashiesに後ろから抱きしめられるって想像するのもいいな……冗談だよ(笑)。うーん、俺がローズかな。髪も長いしね。

kaajakの鼻について

― kaajak選手、鼻は大丈夫ですか?

kaajak:
鼻呼吸を楽にするために鼻ストリップを付けてたんですが、付けた人みんな負けてるので、もう使わないです(笑)。でも今日は頑張れたので良かったです。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

Boasterの雰囲気づくりについて

― Boaster選手はいつもすごくポジティブな雰囲気を持っていて、どんな厳しい状況でも明るく振る舞っていますよね。そのエネルギーが、チームが厳しい試合展開の中で立て直す助けになっているのでしょうか?

Boaster:
ええ、少しは役に立っていると思います。逆転したいなら、まずは前のラウンドのことは忘れて、波を掴むというか、流れを取り戻すことが大事なんです。IGLとしてできることは、まず自分が冷静でいることです。それに、ポジティブでいるのも大事です。ステージでの試合は楽しむべきですから。だからスプリットでの逆転はすごく楽しかったです。

でも、サンセットではその流れを作れなかったのが残念でした。あれができていれば、今日は2-1で勝ててたと思います。特にヘイヴンは取れる試合でしたし、あのクレイジーな1v1を落としたのが…もう頭から離れません。でもまぁ、基本的にはポジティブでいるべきだと思います。ただ、時には厳しくすることも必要です。でも公式戦では、もう自分のやるべきことをやるだけですね。

画像:VALORANT Champions Tour Photos
目次

スプリットでの大逆転について

― “逆転が結構楽しかった”とのことですが、それは相手にやり返している状況だったからこそ楽しかったんでしょうか?それとも、ラウンドごとに流れに乗っていけたから楽しかったんですか?

Boaster:
みんながしっかり当てて、一緒に動いて、同じ感覚を共有できてたのが大きかったと思います。ヘイヴンでは、ラウンドが途中で終わっちゃう感じが多くて、大きなごちゃごちゃした打ち合いの末にサイトを取る、みたいなのがあまりなかったんです。でもスプリットでは、みんなで一気に詰めて混戦状態になって、それを制することができました。だから、みんなでまとまって動けば勝てるっていうのを改めて感じましたね。

ヘイヴンにはそれがなくて、サンセットも同じで、ちょっとバラバラで迷子感があったと思います。だから、ああいう流れに乗るのはすごく助けになりますし、何より楽しいです。スプリットでの逆転は本当に楽しかったです。

Boasterのダンスについて

― どこであのダンスを覚えたんですか?

Boaster:
自然に体にエネルギーが溜まって、そのままお尻に伝わるんです(笑)。いや、本当のところは、どうしていいか分からなくてとりあえず踊っただけです。それだけです(笑)

画像:VALORANT Champions Tour Photos

スプリットでBoasterが銃を買わなかった理由

― スプリットの16ラウンドでBoaster選手が銃を買わずにクラシックだけで戦っていましたよね?チームメイトにはお金があったと思うのですが、なぜ銃を買わなかったのでしょうか?

Alfajer:
本当はBoasterへの質問ですけど、僕が説明します。まず、彼が『銃を落としてくれ』って言ったので、自分がファントムを買ってあげようとしたんですけど、ゲームがバグっててちゃんとリクエストできなかったんです。で、結局自分がファントムを買って渡したんですけど、渡した後でBoasterに銃を買ってあげるのを忘れちゃって。だからBoasterはクラシックだけになってました。

Boaster:
でも結果オーライでした。クラシックだけでBヘヴンを堂々と攻め上がって、ジャンプでトラップを確認しながら進んでたんだ(笑)。

長いテックポーズ後の立て直し

― 長いテックポーズの後、チームはどうやって立て直しましたか?かなり長い中断でしたが、その後ピストルラウンドを取り返しましたよね。裏でどんなことをしていたのか教えてください。

Boaster:
あの時間で少しクールダウンできたのが大きかったですね。それで頭をリセットして、『今何が起きていて、これから何をするか』を整理する時間になりました。

自分個人としては、ちょっと疲れてたし暑かったので、普段は飲まないんですけど“Red Bull Zero Sugar”を飲みました。普段は水しか飲まないんですけど、あの時は『必要だ!』って思いました(笑)。だからスプリットではちょっとハイになってましたね(笑)。

でも結局は、一回みんなで話し合って、『ヘイヴンも惜しかったけど、まだまだ自分たちはこんなもんじゃないだろ!』って気持ちをまとめて、チームで円陣を組んで、『よし、見せてやろう!』って送り出しました。そしたらピストルラウンドを取れて、そこから流れが来て。あとは勢いを止めずにいくしかないって感じでした。勝ち方のプランもちゃんと見えてたのが大きかったと思います。

画像:VALORANT Champions Tour Photos

メタ変更の影響

― 今回のメタの変化は、チームにとってどのようにプラスになり、どのようにマイナスになったと感じますか?

Milan:
正直に言うと、うちにはすごく上手いソーヴァ使いがいて、スキャン系のプレイヤーも優秀なので、どちらかというとプラスに働いていると思います。前はどのマップでもみんながテホとブリーチの組み合わせばかり使っていて、正直ちょっと飽きていたのですが、今はその縛りがなくなってゲームが楽しくなりましたね。

チーム全体として大きな影響があったとは思っていません。むしろ構成をいろいろ試せるようになって、Jake(Boaster)もそういうのが好きだし、アシスタントコーチのScutttも新しい構成を考えるのが好きなので、僕たちはすごく歓迎していますし、こういう変化はいつも大歓迎です。

スイスステージを経験しない影響について

― 今回のMastersでは、スイスステージを戦ってきたチームの方が、プレイオフに直接進出したチームより良い成績を残しています。スイスステージを戦わないことは、チームのレベルにとってプラスですか?それともマイナスですか?

Boaster:
先ほどの質問でも答えたのですが、やはりステージでの試合経験を積むのがチームにとって一番大事だと思ってます。そして、みんなが同じ条件で“初めてのステージ戦”をやることで、公平な状態で経験値を積めるのがいいんです。でも今回自分たちはGen.Gと当たって、彼らはもう何試合かステージで戦っていて、その映像も振り返れてて、マップの情報も新鮮な状態で持っていました。

一方で自分たちは、ある意味ぶっつけ本番に近かったです。でも、それが言い訳になるわけじゃないです。今日は正直、ヘイヴンは勝てるチャンスがありましたし、スプリットもちゃんと取れました。だから、流れを変えることは十分できたと思ってます。

今日は単純に、クラッチの場面が自分たちに転がってこなかっただけで…特にヘイヴンは本当に惜しかったです。なので、自分としてはスイス形式をやった方がプラスになると思ってますが、それが全てではないですね。

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